境界線のあれこれ 50 <野菜と果物>

先週来、大雨や天候不順で野菜がとても高くなりましたね。
キャベツと白菜が高騰しなくて助かっていますが、大好きなゴーヤは3倍近い値段です。
ただ、ちょうど先週からりんごが出始めて1個99円でとてもおいしく、野菜不足を補ってくれるかのようです。


そこで、30年ほど気になっていた野菜と果物の違いについて考えてみたくなりました。


<野菜と果物の違い・・・日本では>


同じように気になる人がいるようですね、きっと「考えだしたら夜も眠れない」と農林水産省に問い合わせたのでしょうか。
農林水産省に消費者相談室があって、「果物と野菜の違いを教えてください」という相談がありました。

野菜と果物(果実)の分類については、はっきりした定義はありません。
あるものを野菜に分類するか果物に分類するかは国によっても違い、日本でも生産・流通・消費などの分野で分類の仕方が異なるものもあります。

へえー、はっきりした定義はないのですね。

生産分野においては、一般的に次の特性を持つ植物が野菜とされています。
1, 田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別されることが多い)
2, 副食物であること
3, 加工を前提としないこと(こんにゃくのような加工を前提とするものは野菜としていない。漬け物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は加工にふくまれない)
4, 草本性であること

しかし、どの定義も確固たるものではありません。また農林水産省では、果実を生産や出荷の統計を取る上で果樹として分類していますが、この果樹は、木本性などの永年作物のことをいいます。
なお、いちご、メロン、スイカなどは野菜に分類されますが、果実的な利用をすることから果実的野菜として扱っています。

ふーん、いちごやメロン、スイカは「草」だから野菜に分類されるけれど、食べるときは果物だから「果実的野菜」で野菜なのですね。
・・・って、もっと野菜と果物の境界線がわからなくなりました。


鍵は「草本性」と「木本性」にあるのでしょうか。


草本(そうほん)と木本(もくほん)>


「草本と木本」という筑波大学のサイトがありました。

草本
地上部はふつう一年以内に開花・結実・枯死し、茎は木化せず肥大成長しない。一般に小型であるが、タケニグサ(ケシ科)、ウド()のように高さ数mに達するものがある。


木本
地上部が多年にわたって繰り返し開花・結実し、茎は木化し肥大成長する。一般に大型であるが、イブキジャコウソウ(シソ科)のように高さ数cmにしかならないものもある。

で、「実際には中間的なものも多く存在し、草本と木本を明確に区別することは難しい」とのこと。


いやはや、植物の分類だけでもひたすら観察の気が遠くなる作業ですね。


それでも日本の場合は、この草本性と木本性という分類と農林水産省の4つの特性で野菜と果物のおおよその区別ができるのかもしれません。


でも私の疑問は、世界中には「野菜にも果物にもなる」ものがあるけれどあれはどっちなのかというものなのです。


というわけで、なんだかやり残しの夏休みの自由研究のような記事が続きます。




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