「アドバンス助産師とは」についてはまだ続きを考えているのですが、昨日の記事の最後にこう書きました。
標準的な業務が明確にされていないから、それが周産期医療から逸脱しているとも認識できないのではないでしょうか。
この標準化が遅れている業務のひとつに、帝王切開の術前・術中・術後の看護があると感じていました。
2000年代半ばになって、「帝王切開術が終わって部屋に戻ったところから母子同室を始める病院だったので辛かった」という話を直接お母さんから聞いて驚きました。
帝王切開術後の「安静」に対する根拠も標準化されないままに、「完全母乳」という言葉で帝王切開術後の看護の風景が変わり始めました。
さらにここ数年で、帝王切開術の最中にいわゆるカンガルーケアーをする施設が出現したことにも驚いています。
帝王切開術という手術は、他の外科の手術とは違う特殊な世界が広がっているかのように私には感じられるのですが、どうしてなのだろうと考え続けていました。
そんな時に、「責任ってなんだろう?カンガルーケア裁判について思うこと」(2014年11月7日)の記事にこんさんがコメントをくださいました。
初めまして。先日ほぼ同様の経緯で子どもが脳死のような状態になりました。似たようなケースが過去にあったことをこのブログで知り、自分の無知を後悔しています。訴訟などの考えはありませんが、その後病院から何の連絡もないので、私達のようなケースが何かに生かされることはないのか?と思っています。
心が引き裂かれるようなコメントでした。
毎日、こんさんとこんさんのパートナーやご家族が、意識のないまま成長している赤ちゃんに面会に行かれている姿を思い浮かべました。
その後のこんさんとのコメント欄でのやりとりで、帝王切開後にまだこんさんが一人で自分の体も動かせない状況での授乳中に起きたことであることがわかりました。
こんさんの「私達のようなケースが何かに生かされることはないのか?」という思いに応えるとしたら、「帝王切開術前・術中・術後の看護の標準化」ではないかと私は考えました。
いいかえれば、「こうすれば母乳がよく出る」「こうしたら良い母子関係を築ける」といった思想の部分は一旦脇に置いた、帝王切開を受けたお母さんと新生児にとって大事な部分は何かということです。
こんさんのコメントを紹介させていただきながら、しばらく帝王切開について考えてみたいと思います。
コメントを本文中で使うことをご快諾くださって、こんさんありがとうございます。