水のあれこれ 24 <泳ぐのに必要な数学と物理学>

雨が降ろうが台風が来ようが槍が降ろうがプールに来る河童族は雪の日は来ないようですが、お盆休みの大雨の日というのもプールから足が遠のくらしいことを発見しました(適当)。


というわけで、先日はプールがガラガラの時間があって2コースをほぼ独り占めしたので、圧力抵抗と造波抵抗を意識しながら黙々と背泳ぎをしてみました。


野口智博氏の本にはその抵抗についてと推進力についても書かれていたのですが、3つの推進力のうち「揚力」と「慣性」については思い出せたのですが、もうひとつはどうしても出てこなくてそれを気にしていたら手足の動きがバラバラになってしまいました。


知識が身になるには時間が必要ということですね。


で、正解はこちら。

水の中で身体を移動させるためには、何らかの推進力が必要です。スタートやターンなどで壁を蹴ること以外で、泳いでいるときの推進力を作っているのは、「抗力」「揚力」「慣性」の三つしかありません。

抗力
●より大きな面積で水をキャッチする。
●ゆっくりかき始めて徐々に速くかく。

揚力
●推進力が生まれるスイーブ動作のタイミングと角度を見つける。

慣性
●水の中をすべり込むような慣性を生かす姿勢をとると、何もしなくても体を前方へ進めることができる。その姿勢を作れれば、運動による負担を減らせる。


そうそう「抗力」でした。


10年以上前に雑誌のTAZANで泳ぎ方を独学していた時に、トップスイマーの泳ぎの写真を見て「S字プル」を見よう見まねで真似してみたのですが、ちっとも進まなくて疲れただけでした。


ある時点でふと泳ぎが軽く感じたり、無意識のうちにおおきく手のひらで水をとらえることができるようになったのですが、それがこの抵抗と推進力のバランスがうまくとれた感覚だったのだと思います。


<数学と物理学ができれば・・・>


競泳会場で観戦するようになって、大学などのスタッフが会場にたくさんいてラップタイムや映像のデーターを取っていることを知りました。


2000年代に出版されていた水泳の本には、泳いでいる時の水の動きや抵抗についてもその計算まで詳しく書かれたものが増えました。
水泳というのはただ感覚的に練習で身につけるのではなく、数学と物理学が必要なのかとちょっと驚きました。


40年ほど前の高校生の時には数学が少し苦手になりだして、物理学を選択する余地もなく、化学と生物を選択しました。
化学と生物はそれなりにおもしろかったのですが、今になると数学がもう少し好きになっていれば物理学にも挑戦できていたし、数学と物理学が理解できたら、こうして泳いでいる時の状況を計算式で理解できるのではないかと残念に思います。


水泳だけでなく、電車に乗っている時にもあの過密ダイヤでも正確に運行されていたり、人身事故などでダイヤが乱れてもまた通常ダイヤに戻していく作業も数学や物理学なくしてはできないことでしょう。


世の中は数学と物理学の恩恵がここかしこにあるので、もう少し勉強しておけばもっとおもしろかったのかもしれないと思うこのごろです。


え、今から挑戦ですか?
頭が固くなったので無理のような気がしますが、リタイア後の課題ということで。






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