人生の中で、「百分の三秒差」で悔し涙を飲むことはあったでしょうか。
通勤中の目の前で列車のドアが閉まってしまう時でさえ、おそらく1秒ぐらいの感覚ではないかと思います。
昨日から開催されている第61回日本選手権(25m)水泳競技大会の男子400m個人メドレー決勝では、この0.03秒で会場から悲鳴のような声があがりました。
大会前から瀬戸大也選手が世界記録を目指していることが伝えられていましたが、午前中の予選では4分11秒台でしたから、そこからどうやって16秒近く縮めるのだろう、無理ではないかと思っていました。
入場してきた瀬戸選手はいつもよりすごく集中している印象があって、本気で世界記録を目指しているのかもしれないと感じられました。
水に飛び込んだ時から気迫があって、途中経過では世界記録を2秒以上上回る記録でした。
平泳ぎあたりで少し泳ぎが重くなり、このまま失速してしまうのだろうかという予測に反して、最後のターンで残り25mを泳いでいる姿は空を飛ぶような泳ぎでした。
ゴールタッチして表示された数字は、「3分55秒53」。
あと0.03秒で、世界記録タイでした。
百分の一秒まで計算しながら泳ぎを再現するのが競泳なのだと圧倒されました。
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