散歩をする 361 小貝川 と上郷ジオパーク

福岡堰と伊奈神社を訪ねたあとはどこへ行くか計画の段階で地図をずっと眺めていると、福岡堰から上流側の数キロの区間に旧河道らしい場所がいくつかあることがわかりました。

水田地帯でもあるようです。

 

このあたりを散歩するにはどうしたらいいかと思ったら、福岡堰の近くのバス停からSe西部シャトルというコミュニティバスがあり、小貝川左岸側をずっと上流に向かって走るようです。時刻表を確認すると、9時59分という便が良さそうです。それで早朝に家を出発し、福岡堰に到着したのは9時頃でした。

 

バス停は「富士見ヶ丘団地」で、福岡堰から少しくだり坂を歩き、福岡堰に繋がっている細い水色の線が描かれていた低地を超えると、また少し上り坂になった場所にありました。

その水路は福岡堰から取水しているのかと思ったら、福岡堰の方へと流れる排水路でした。そういえば、福岡堰のすぐそばに「離山排水樋管」と表示された水門がありました。パッとみただけでは高低差がわからないような場所に、こうして用水路と排水路があるようです。

 

水路のそばに棚田が少し残り、その先を住宅地として開発したようです。都内のコンクリート製の防水堤のような団地群を想像していたら、一戸建ての家が整然と並ぶ住宅地でした。

 

*小貝川左岸の風景*

 

住宅地を抜けてつくば市との市境のあたりで、広大な畑が広がりました。少し高台の農家の家々が並ぶ道を走ると下り坂になり、交差点で「大雨冠水注意」と表示がありました。

キャベツや白菜など美しく広々とした農地が広がっています。

小学校も高台にあり、小貝川対岸が少し見えました。

鍋沼新田のあたりから、小貝川の堤防との間に水田が広がり、竹林があります。なんとも美しい田園風景が続きます。

 

途中で妊婦さんらしい女性が乗ってきました。この辺りではどこで出産するのかと気になっていたら、バスは低地と高台を行ったり来たりしながら万博記念公園駅に立ち寄り、そこで下車されていました。

また小貝川のそばを走り、左手に低地が続く風景です。

目的の川口公園バス停に10時51分につきました。

わずか数キロのところを1時間ほどコミュニティバスでぐるぐると回ったので、さまざまな風景を見ることができました。

 

*川口公園と上郷ジオサイト

 

バス停の前は鬱蒼とした森で、川口公園入り口とありました。おそるおそる森のような中を歩いてしばらくすると、目の前がパッと開けて公園がありました。

 

筑波山地域ジオパーク推進協議会による「上郷ジオサイト」という説明がありました。

蛇行河川がもたらす脅威と恵み

筑波山塊の西方では、小貝川が勾配のゆるやかな関東平野を大きく蛇行しながら流れています。小貝川の近くには、大きな氾濫などが原因で自然に流路が変わったり、河川を改修したりすることでできた、河跡湖(かせきこ、三日月湖)などの昔の川の跡(旧河道)が残されています。小貝川はたびたび水害を引き起こしてきましたが、氾濫の時には多量の土砂が堆積して独特の河川地形をつくり出し、里山の自然や、地形を利用した人々の暮らしと歴史・文化を育んできました。

 

蛇行河川がつくる地形

川の氾濫が起きると、川岸のそばに礫(れき)や砂が堆積して、水はけの良い小高い場所(自然堤防)ができます。また、氾濫のあとに川の流路が変わることがあり、流路から外れたところには旧河道が残されます。自然堤防の上には集落や寺社、畑が立地し、後背湿地は田んぼとして利用されています。

 

私がコミュニティバスの車窓から見ていた風景の説明が書かれていたのでした。

自分が生活している場を学ぶ機会があるのはうらやましいことです。

 

広い公園にはところどころベンチがあり、平日でしたが、近くをウォーキングする人や静かに座ったり、本を読む人など数人の人がいました。

地図で見つけた時には、誰もいないだろうと思っていました。

 

なんとなく立てた計画でしたが、大満足のコースになりました。

 

 

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