運動のあれこれ 40 「今もなお里山の風景を残す深大寺・佐須の地域資源」

調布市立柏野小学校まえに立てられていた説明板は、私が知りたいことが網羅されていました。

湧水 

国分寺崖線からしみだす湧水は、地域を流れる用水路の水源となっています。

 

深大寺・佐須地域の南部には、畑がまとまって残っていて、開放感のある風景を残しています。

 

都立農業高校神代農場

神代農場には、湧水を利用した水路や池が点在しています。また、斜面は竹林を含む樹林地となっていて、水と緑の豊富な谷戸の景観を残しています。神代農場は、人による管理が施された谷戸環境を維持し、また豊かな生産系を有しています。 

 

野草園 

深大寺・自然広場に位置する、調布市「野草園」には、約300種類10,000本以上の野草があり、ムラサキなどの珍しい花も見られます。

 

カニ山 

深大寺自然広場内に位置する通称カニ山や、かつては小川が流れ、そこにサワガニが棲んでいたことから、カニ山と言われるようになりました。この武蔵野の原風景を残すカニ山では、デイキャンプができる設備もあります。

 

田んぼ 

深大寺・佐須地域では、用水路沿いに田んぼが営まれている場所もあり、武蔵野地区では絶滅している貴重な水田風景が望めます。特に、国分寺崖線の緑を背景に、歩く人々の心を癒してくれる里山の光景は、この地域の見どころでもあります。

 

用水路 

国分寺崖線の湧水はやがて用水路となり、地域の農業を支えるとともに、動植物が集う場所でもあります。

 

毎日通学する道にこんな説明があって、自分が生活する場所とはどんなところなのかを知ることができるなんて、現代の小学生は羨ましいなあと特に思ったのが、この箇所です。

【地勢】 

深大寺・佐須地域は、ハケと呼ばれる国分寺崖線を挟む3つの段丘(武蔵野段丘、立川段丘)にあります。このハケの下からの湧水が水路(小川)となって、多摩川の支流である野川に合流しています。崖線に沿って続く雑木林、南北に形成された谷戸を活用した都立農業高校神代農場や深大寺自然広場、水路周辺に広がる田畑など、良好な自然環境及び里山の風景が維持されています。

 

 

検索すると、調布市の「東京都農業・農地を活かしたまちづくり事業」に関連しているようです。

 

 

*自分が生活をしている場を知らなさすぎた*

 

半世紀ほど前の教育でも基本的な地理の知識は学んだと思うのですが、「自分が生活している場所とはどんなところか」は、学問の専門分野もまだまだ確立されていなくて、学習の方法も限られていたのだろうと思います。

 

当時、経済発展の途上にあって、偏差値と学歴社会への変化女性が進学する機会がまだまだ限られていた時代の中で、自分の足元を考えるよりは正義感と理想に燃えて、観念的な正しさを求める方向へと自分を駆り立てたのではないかと思い返しています。

 

時代のせいとか社会のせいというのではなく、これが当時の時代の葛藤だったのではないかと。

 

そうそう、私が狭い世界から飛び出したいと思った1980年代に、「Think glovally act locally」という言葉がありましたね。

 

私が自分の生活の場所をすっ飛ばして世界のことを考えていた間に、ちょっとニュアンスは違うかもしれませんが、地道にそれぞれの地域の生活をこうして突き詰めて考え検証している人たちがいたおかげで、足元をすくわれずに済んだのかもしれません。

 

地面のこともほとんど知らないまま生きてきたことに、冷や汗をかくこの頃です。

 

小学校低学年の時にはわからなくても、卒業する頃にはこの説明板から自分が生活している場に誇りが出て、さらに自分がどのような仕事をしたいのかが見えてくるかもしれませんね。

 

 

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ハケや崖線の散歩のまとめはこちら