鶴見川を渡りるとIKEAの前の大きな道路はまっすぐ、そのまま北へと切り通しの道になって通っています。その右手に淡島神社の鮮やかな朱色の社殿が見えました。鎮守の森が崖になって、その上に住宅地があるので元々は崖線だったようです。鶴見川の河岸段丘でしょうか。
鶴見川の治水の神様かと思って訪ねてみましたが違いました。検索すると和歌山に総本社があるようで、17世紀後半に病を治してもらったことで建てられたようなことが書かれていました。どんな時代で、どんな人の繋がりではるばると迎えられた神社でしょうか。
切り通しの道は下を向いて歩いて息が切れそうな勾配でしたが、この道がなかったら崖の上と下の世界を行き来するのも大変だったかもしれません。
途中、切り通しの壁面から水が染み出していました。こういう場所の排水もどんな技術があるのだろうと考えていると、その排水用の穴にペットボトルが詰め込まれていました。
ほんと、どうしようもないですね。
目の前が開けて今度は下り道になり、山裾のすぐそばに橋があって「一級河川おおくま川」が流れていました。地図で確認すると、先ほどの崖の反対側を弧を描くように流れて、鶴見川遊水池の左岸で合流する支流のようです。
橋を渡るとすぐにまた上り坂になり、途中にある長福寺の参道が急な石段になっているのが見えました。
鶴見川の左岸側の「台地」かと思ったら、アップダウンの多い複雑な地形でした。
歩道の右手が雑木林になりましたが、その上はマンションでその敷地が「緑地の協定区間」として「森が残る歩道」として整備されているようです。
そしてその駐車場の地下には遊水池が整備されていることも書かれていました。
*せせらぎ公園*
ここまでの交通量の多い道路は「新横浜元石川線」で、ブルーラインの高架橋を越えると北側は「大熊東山田線」だと案内図に書かれていました。
ブルーラインを超えて250mほどの交差点を左に曲がると、雑木林が見えてきました。谷戸のようで、林の中を下り坂の道があって池が見えます。
一歩入っただけで別世界のような林の道を降りると、池の周囲にはたくさんの人が散策していました。
『水と緑のまちづくり』という、港北ニュータウンの開発理念にもとづいて造られた、自然体に囲まれ、野鳥の多い、大きな池のある公園です。池には水鳥が泳ぎ、6月ごろからスイレンの花が訪れる人の目を楽しませてくれます。
公園の奥には古い民家が移築され、かつて農村であった頃の都筑区の風情を伝えています。
(「都筑区の見どころ」より)
そのまま細い水路が南西へと続き、その周囲にも雑木林が残り、南側はレストランなどがあるおしゃれな遊歩道でした。
*茅ヶ崎公園*
その遊歩道が途中から暗渠になり、県道45号線の陸橋で反対側に渡ると、そこからまた雑木林の中を歩いているかのような道が続き、両側はUR都市機構のマンションが建っていました。
この遊歩道や雑木林の公園もまた「横浜市の市街地環境設計制度に基づく建築物の許可条件として設置されたもので歩行者が道上自由に通行また利用できるものです」という、「公開空地」であることが表示されていました。
1998年(平成10)にこのあたりが開発されたようです。
途中で大きな池があったり、水のそばを歩けるような小川が流れていたり、かつてはこんな風景があったのだろうと思われる遊歩道です。
晩秋の光のなか、落ち葉を踏みしめながら水の音を聞きながら森の中を歩いているような楽しさでしたが、ちょっと洗練されすぎているような感じで少し飽きてきたところ、忽然と遊歩道が終わって「ふつうの」住宅地に自動車が走り、ところどころ畑が残る風景になりほっとしたのでした。
早淵川を渡ると小高い場所へとと急な坂道になり、一段高いところに県道13号が通っていました。
吾妻山の山裾に細長く昔からの街道沿いの街があるようで、そこから対岸の雑木林の中にあるマンション群とぎっしり詰まったかのような住宅地が夕陽に照らされているのが見えました。
ここから遺跡や別の公園を訪ね歩く計画でしたが日が落ちてきたので断念して、センター北駅から電車に乗って帰宅の途につきました。
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