右手に府中崖線が続き、まるで雑木林の中の小川を歩いているかのような市川用水の水路です。落ち葉の香りが漂う師走の風景は、日の入りが短いこの時期に暗くなるまでめいっぱい秘密基地で遊んでいた小学生の頃の記憶が蘇ってくるようです。
水の流れといろとりどりの落ち葉に目を落としながら歩いていると、ふと目の前が開けて坂道と上板橋に出ました。
右手は住宅の間を崖の上へと道が通っています。地図で確認すると大山道(おおやまどう)でした。
歩道を渡った先は、水田地帯のようです。
もう市川用水沿いの遊歩道は終わりなのかなと渡ってみると、水田と水路のすぐそばを歩けるように遊歩道が続いていました。右手は、一段高くなって住宅が続いています。
途中に「古代の丘とハケ下の道」という案内碑がありました。
どこまでも、そしていつまでも大事にされているハケの下のようです。
遊歩道の途中から水路の柵が柵が高くなり、水路沿いがゴミ集積所になっている場所が増えて道の雰囲気が変わりました。
ずっと水面を眺めながら道なりに歩いていると、また右手が雑木林のようになり突然行き止まりのようになりました。
よくよくみると螺旋状の階段があって、崖の上から国立インターへと続く拡幅された国道20号線が水路の上に通っているようで、水路はまるで牢屋のような柵の中へと消えました。
やれやれ、反対の螺旋階段まで行くには信号のある交差点まで数十メートルの坂道を迂回しなければならないようです。
下ったり上ったりして反対側の螺旋階段を降りて気づきました。
水路より少し離れたところに、歩行者用のトンネルがあって地元の人はそこを通っていたのでした。
反対側にも水田地帯が広がり、右手は崖線の雑木林で地元の方の散歩の道になっているようで、結構な人とすれ違いました。
ここも崖線のすぐ下に水路が流れ、遊歩道になっていました。なんとも落ち着く風景です。
しばらく歩くと別の水音が聞こえてきました。
畦道の向こうに別の水路があって、豊富な水が流れています。あの府中用水とママ下湧水からの流れのようです。
しばらくそのそばで水の流れを眺めました。幸せな時間です。
谷保のあたりは宅地化が進んでいても地図では複雑に道が入り組んでいます。
実際に歩くと本当に道に迷うのですが、ふと水路や田畑が現れてハケの下の風景が残っています。
このままこの道や水路、そして崖線の緑が大事にされるといいなと思いながら、今回は日没が迫ってきたので時間切れです。
谷保天満宮の雑木林の坂道を登り、国立行きのバスに乗って帰宅しました。
昨年末にふと思い立って出かけた分倍河原駅から谷保天満宮までの湧水と水路めぐりでしたが、充実の散歩になりました。
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