散歩をする 309 武蔵野台から是政へ

6月20日で3回目の緊急事態宣言が終わりましたが、都県境を越えない散歩の記録がまだ続きます。

 

布田崖線を歩いた時に、多摩川由来の崖線の保全運動を知りました。

地図を見ていたら、武蔵野台地の上と下の生活の違いの痕跡がありそうな場所が見えてきました。

 

今回はその名も「武蔵野台駅」からのスタートです。

京王線で何度も通過しているのに、「畑が車窓から見えた」くらいしか記憶にありません。

6月初旬、駅前にやはり畑が残っていて、トウモロコシの穂が出始めていました。

 

ここから東府中駅のあたりまで、南側に蛇行した道が地図にあり、崖線だろうと見当がつきました。ここを道なりに歩いてみよう。やや行き当たりばったりの散歩です。

そして途中、西武多摩川線と交差するあたりに、線路に沿って水路が描かれています。

崖線からの湧水があるかもしれません。

 

*崖線に沿って歩く*

 

駅前には竹やぶに囲まれた屋敷が見えました。もうこれだけでも来た甲斐がありました。新宿からわずか30分ほどの場所です。

1990年代ごろまでは、都内23区でもこんな場所がけっこう残っていました。

 

崖線に向かう道にも、屋敷林に囲まれた農家があります。おそらく、江戸時代ごろからの農家で、屋敷は崖線の上にあって田畑は崖線の下にもあったのではないか、そんなことを妄想しながら歩くとすぐに崖線に突き当たりました。

 

地図ではその段差はわからないのですが、低い場所に畑や団地が見えました。

枇杷の実があちこちにあり、どこからともなくユリの香りが漂ってきます。

 

一段下に畑が広がり、それを見ながら蛇行した道を歩いているだけで大満足の散歩です。

しばらく歩くと小さな交差点があり、崖下へ行く道に沿った敷地には石積みの土台が残っていました。

 

崖線の中程ぐらいへと下り坂を歩いていると西武多摩川線の線路が見えてきました。

踏切の少し手前を下り、地図で水路が始まっている佼成幼稚園と車返変電所あたりに行ってみました。湧水があるかと大いに期待したのですが、畑と小さな水路跡らしき場所があるだけでした。

また元の道に戻り、西武多摩川線を渡り、線路の方を振り返って見ると線路沿いの電柱に「羽毛下堀用水函渠」と表示があり、線路の下に石かレンガで作られた小さなトンネルがありました。水路がどのように通っているのか見えなかったのですが、羽毛下という言葉に出会っただけで、この散歩の計画がけっこういい線をいっていると満足したのでした。

 

キャベツ畑を見ながら崖線の中腹のあたりを歩くと、崖側に立っているアパートは2階部分が道に面しています。

しばらく歩くと、9中通りという南北に通る道路の上にきました。

滄浪泉園の横を通る貫井トンネルと同様に、武蔵野台地の上側から崖の中をトンネルで道が通っているようです。

現代ではなんでもないこの崖の上と下の段差ですが、昔は手堀で切り通しの道を造るか、かなり迂回しなければ越えられなかった境界線だったのでしょうか。

 

 

9中通りを越えると大きな東郷寺が崖の上にありました。その敷地の崖下が遊歩道になっていて、お寺の敷地の大木の森を見上げながら歩くと、清水が丘公園につきました。

藤棚の木陰に椅子があったので座ってふと見上げると、インゲンのようなモロッコインゲンのような豆がぶら下がっていました。初めて藤の実を見ました。

 

そこからはなだらかな下り坂を降りて行くと、途中に瀧神社があり、湧き水がありました。

 

府中競馬場のそばを通って多摩川へ近づくと、「ハケ下」の風景の名残りでしょうか、あちこちに水田と畑が残っています。

 

そこから西へ向かうと南武線の線路に向かって水路があるようです。近づくと「村雨川」で、結構な水が流れていて、農業用の水路かもしれません。

南武線を越えて、府中の森を目指して歩くと、歩道の下から轟々と水音が聞こえてきます。

地図には描かれていないのですが、どこからか水が集められ、先ほどの村雨川に合流しているようでした。

歩いてみないとわからない、ハケ下の水の豊かさだと思いながら、府中の森の手前で多摩川の堤防沿いに引き返して、是政駅を目指しました。

 

対岸は、上谷戸親水公園を訪ねるときに降りた南武線南多摩駅がありますが、こちらから見て初めて山を切り崩した場所だったことがわかりました。

 

子どもの頃から馴染み深い西武線ですが、なぜ飛び地のようにこの多摩川線があるのだろうと調べた時に、この辺りに砂利採掘場があったことを知りました。

 

 

帰路は、是政駅から武蔵境行きの西武多摩川線に乗りました。都市の風景の中に畑が残る風景の中、少しずつ電車は登って行き、白糸台のあたりで切り通しの中を武蔵野台地へと登り、多磨霊園と野川を越えました。

 

ハケ上からハケ下、そしてハケ上への散歩が終わりました。

 

 

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