水のあれこれ 93  水が地形を作る

房総半島は、1990年代に私が行き来した東南アジアのある地域に似ています。

入り組んだ海岸沿いを車で走ると突然集落が現れ、川を中心にして人が生活をしていました。

きれいな水が山の方から流れてくるので、私も川で沐浴をしていましたし、川の周辺の集落にも泉が湧き出る場所がたくさんありました。

半島の内側と外側で、それほど大きな変化はありませんでした。

 

あるいは、このところ都内近郊をあちこち散歩するようになって、一見暗渠になってわからなくなっている場所でも、元は水が地形を作り出していたことが実感できるようになりました。

今ではだいぶ、地図を見るだけで川がつくる地形を推測できるようになりました。

 

ところが房総半島は私のそんなイメージとも違い、そして外房と内房に大きな違いがあるのを感じました。

外房は、勝浦、鴨川、あるいは南三原から千倉あたりの一部を除いては、侵食されてできたわずかの細長い土地に集落ができている印象でした。

谷津干潟で引用したように、谷津あるいは谷戸と思われる地形からは、だいたい泉や川が見られるのですが、外房の場合にはそうした細長い集落では小さな川らしき流れが見えなかった場所もありました。

 

電車の車窓からなので見逃している可能性もありますが、何れにしても外房で比較的大きな街がある場所には、大きな川があり河岸段丘もわかる場所があったり、川を中心にした地形が読み取れましたが、そういう地形の方が少ない印象でした。

そして、内房線になると風景が一変します。

 

以前は内房も入り組んで平坦な土地が少ないと感じたのですが、外房を回ってから見ると、川を中心に開けた場所が多い印象でした。

 

帰宅してから改めて地図を見ても、やはり外房よりは内房の方が大小さまざまな河川が多い印象です。

これは房総半島の「自然条件と開発」にあるような、「南部の房総給料は清澄山系の山嶺によって上総丘陵と安房丘陵に分けられる」に何か関係していのでしょうか。

今度は、房総半島の内陸部も回って見たいものです。

 

房総半島の河川はどうなっているのだろう、そして、三浦半島の水道が45kmも離れた地域から送られてくるように、河川が少ない房総の地域は水道をどうやって維持しているのだろう。

また知りたいことがたくさん出てきました。

 

 

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