散歩をする 156 じゅん菜池緑地

先日、NHKのお昼のニュースのあとそのままにしていたら、「まんぷく農家メシ」という番組で「食べるエメラルド!?驚きのじゅん菜料理」を放送していました。

八郎潟の風景から番組が始まり、八郎潟の北側に接する三種町という町からの放送だったので見入ってしまいました。

 

田んぼのように見える池は、農家の方によると「重機で作った沼」だそうで水があちこちから湧き出ているそうです。

こんどはまた、このじゅん菜を栽培している沼も見てみたいですね。

 

で、そうだ、5月にじゅん菜池を散歩したことをまだ記録にしていなかったと思い出したのでした。

 

市川市のじゅん菜池緑地*

 

江戸川沿いに地図を眺めていると、細長い池があります。

以前からずっと気になっていて、いつか散歩をしてみたいと思っていた場所です。

市川市のホームページの「緑と公園」ではこんな説明があります。

国府台と国分の台地間に深く入り込んだ古くからの沼があり、これを国分沼といいましたが、この沼にはじゅん菜がたくさん生えていたことから、じゅん菜池と呼ばれるようになりました。

昔は近隣の農家の人々が、じゅん菜を積んで出荷したこともありましたが、昭和の初期に沼がなんども干上がり、ついにじゅん菜は絶滅してしまいました。

戦後、沼は田んぼに変わりましたが、地元の人々から昔のようなじゅんさい池を復元して欲しいとの要望を受け、昭和54年に現在のじゅん菜池緑地へと整備しました。 

 

細長い池の南側は、おそらく段丘になっているのだろうと想像はつきましたが、「台地間に入り込んだ古くからの沼」と書かれているような「台地間」とはどんな地形なのでしょうか。

パソコンの航空写真からでは高低差がほとんどわからなかったので、想像がつかなかったのでした。

 

どこから散歩をスタートしようかと地図を眺めていたら、市原市の歴史博物館と堀之内貝塚公園が目に入りました。ここから歩き始めて、じゅんさい池緑地、そして江戸川河畔の里見公園から市川まで歩いてみようと計画ができました。

 

*大地と台地の間*

 

北総線北国分駅に降りました。私にとって北総線は聞いたことがあるぐらいの路線でしたが、印旛沼が気になりだした昨年から、身近に感じる路線になりました。

 

初めて降りてみた北国分駅ですが、整備された街並みと住宅街がまだ比較的新しい街だという印象でした。

北国分駅を読むと、1991年に駅が開業した当時は「周辺に畑以外は何もなかった」とあります。

 

地図の航空写真ではよくわからなかったのですが、北国分駅は小高いところに造られているようで、線路はその丘を掘って通り、丘の上に駅があるようです。これも「台地と台地」の意味かもしれません。

駅から少し下り坂を歩くと、公園と市川市歴史博物館、隣接して考古博物館があります。

今日は先を急ぐので、そのまま公園の中の森を降りていくと、台地と台地の間に東京外環道路が通っています。それを越えると、また少し小高い場所へと上り坂になりました。

この辺りは複雑に道路が入り組んでいて、90年代以前からあったと思われる住宅街を通り抜けると小高い場所に森が広がって、じゅん菜池緑地の入り口が見えてきました。

 

その森の中を少し下ると、あの細長い池が続いていました。

対岸の住宅街は池よりも少し高い場所にあるように見えます。

航空地図でイメージしていたより、はるかに豊富な水がある池で、森もあって美しい風景でした。平日にもかかわらず、ゆったりと散歩をしている方がたくさんいました。

 

長細いじゅん菜池を北側から南側へと歩くと、そこからはまたけっこうな上り坂になり、国立国際医療センター国府台病院の脇へとでました。

Wikipediaの「国立国際医療研究センター」を読むと、1872年に旧日本軍の病院として始まり、戦後、1987年には国立精神・神経センターになったようです。

今は、バスも車も多い幹線道路が通る高台ですが、以前は人里離れたところにある病院だったのかもしれませんね。

 

国府台病院あたりから江戸川へ向けて少し下り坂になり、里見公園がありました。

ちょうどバラの季節で、園内には色とりどりのバラが咲いていました。

 

北国分駅から江戸川までは、まさに「台地と台地の間」が複雑に続く地形でした。

江戸川の歴史を少し知った気持ちになっていましたが、それぞれの地域の地形や変遷を知るということは途方も無い時間と労力が必要そうです。

 

 

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