「記録のあれこれ」まとめ

「記録のあれこれ 1」しかまだ書いていないのに「まとめ」を作るのも何ですが、「記録」についてはブログを始めた頃からずっと書いてみたいと思っていました。


それがもう少しはっきりと見えてきたのが、2012年12月30日の「オカルトな世界が広がる助産雑誌」の記事に、元田舎の産科医ですさんが下さったコメントがきっかけでした。


その返信で、こう書きました。

助産分野の研究は、まだ論文を出した者勝ちのようなレベルかもしれませんね。変だと思っても、いちいち反証の研究をするほど時間もないですから、変な論文がいつまでも参照されていくような印象です。統計処理とかされた論文に圧倒されそうになりますが、基本は対象の観察だと思うので、もっと症例報告とかに力をいれたほうが良いように思います。臨床には、そういう観察の積み重ねがたくさんあるのですけれど。

さらに元田舎の産科医ですさんが下さった返信のこの部分が、助産師の世界に欠けていることだと、ハッとさせられたのでした。

自分の都合のいい結果を科学を用いて導き出すのはおかしいと思いますね。
経験を積み重ねて、自分たちなりに「何かある、何か変だ」という疑問から症例報告をしていき、Reviewとなり、大規模スタディになっていくのだと思います助産学の進歩の為にも、そうなることを期待します。

ああ、まさにここなのだと思います。
日々観察し、事実とは何か逡巡し、そして記録にしていく。
それが分娩記録であったり、日々の看護記録です。


それらの記録からきちんと症例報告を書く能力があれば、おのずとケアのニーズが見えてくることでしょう。


4年前にいただいたこのコメントを、行きつ戻りつ考えながら、少し書きたいことが見えてきました。



<2016年>
1. 数は数えなくても記録は残せ
2. 「たまたま上手くいっただけだろ?」
3. 私の分娩記録ノート
4. 記録で思い出す話
5. お産の途中で眠くなる
6. 仮説が思いつきであったことも記録する
7. 暗黙知を客観化する
<2017年>
8. ファラジの給水時間
9. 「公園のつぶやき」
10. 気に入らない数字は記録したくない
11. 失敗を記録する
<2018年>
12. 言語を文字で記録しない社会
13. 地図に記録する
14. 記録が消えずに残す方法
15. スタート反応速度
16. 新生児についての記録
17. 育児記録と授乳記録
18. 新生児の生活のためには何を記録するのか
19. プロセスレコード
20. 「災害と認識」する暑さ
21. 日記を残す
22. 「当時の生活を垣間見る」ような記録を残す手段
23. フランス式からドイツ式へ
24. 日々、何を書き留めるか
<2019年>
25. 事実を書き留める仕事
26. 優生保護法に関する記事
27. 記事のまとめを見直しています
28. 熊野誌
29. 「素晴らしい熊野の自然」
30. 災害の記録
31. 「地図で確認 先人が伝える災害の教訓」
32. 福田歴史民俗資料館
33. 八郎潟と戦後賠償
34. Wikipediaの「奥三面ダム」
35. 津久井湖記念館
36. 信濃川大河津資料館
37. 長岡東山油田中島地域製油所記念碑
38. 東京ごみ戦争歴史みらい館
39. 神奈川県水道記念館
40. 好ましいことも好ましくないことも記録する
41. ビデオ判定システム
42. 平和街道
43. 「未来を開いた『一本の水路』」
44. 「砂丘に生きる」
45. 災害時に事実を記録する
46. 災害時の医療施設の記録
47. 日常から非日常、そして日常へ
48. 台風で散歩をキャンセル
49. キャンセルした散歩が数日で実現した
50. 八沢地区干拓地
51. 「次代に伝える経験の手法」
52. 「東日本大震災現地調査報告」
53. 「内閣中央航空研究所」
54. 「神栖の歴史」
55. 亘理町立郷土資料館
56. 水仙の記録
<2020年>
57. 小金井公園
58. 「続・秘蔵カラー写真で味わう 60年前の東京・日本」
59. 三沢川分水路
60. 社会から物がなくなる
61. 医療機関から物がなくなる
62. 「新型コロナウイルス渦中の水泳プール営業状況」
63. 「新型コロナ感染症拡大スピード抑制下 水泳プース開館/閉館の差と課題」
64. 備後落合駅
65. 自衛隊の新型コロナ感染症対策の活動の記録(3/1~4/6)
66. 第96回日本選手権水泳競技会、12月開催へ
67. 新幹線と新緑
68. 自衛隊の活動記録(4/7~4/23)「基本動作に忠実に」
69. 換気が呼びかけられるようになったのはいつか
70. コスタ・アトランチカ出港
71. 琵琶湖疏水記念館
72. 渋谷駅のホームが並んだ
73. 古賀選手のインタビュー記事
74. COVID-19の4ヶ月の入退院の記録から
75. 非日常から日常を模索する
76. 周産期三学会の合同ガイドライン
77. バスと列車の水没、橋梁流出
78. 57年ぶりに200センチ越
79. 2年4か月ぶりのレース
80. 「小さな旅」
81. 9年前の白子川の散歩の記録
82. 資料館を維持する
83. 「昭和天皇御植樹」の碑
84. イタイイタイ病資料館
85. 「阿武隈川上流水害写真集」
86. 「信州リンゴ また色づくまで〜台風被害農家の決意〜」
87. スポーツを客観的に言語化する
<2021年>
88. 人生の年表を作る
89. 106歳まで泳ぎ続ける
90. 自分の失敗を認め、掘り下げる
91. 14ヶ月
92. 小学校の記録
93. 「米原潜ワドル元艦長の公開書簡」
94. 散歩の記録と記録の整理
95. 勝手に編集される
96. とかえこさんのコメントを読み返す
97. 明治用水記念館の資料より
98. 記憶と物語
99. ブログのカテゴリー
100. 「検見川発掘日記」
101. 「一級河川筑後川 花宗水門」
102. 「避難勧告」から「避難指示」へ
103. 地図から名前が消えた
104. iPhoneの地図が重層的になり始めた
105. 「探し物はなんですか?見つけにくいものですか?」
106. 「牛浜出水の図」
107. 石田堤史跡公園
108. 伊奈屋敷跡
109. 災害時の救援の記録
110. 大船渡線
111. 「鮭が遡上する清流・北上川を守ります」
<2022年>
112. 田老駅と新田老駅
113. 沼津市明治史料館
114. 安倍川の流路変更と駿府城下の用水
115. 「日本一低い谷中中央分水界」
116. 第6波の記録
117. 殉難殉職供養塔
118. 「水の郷構想」源兵衛川遊歩道、川の中を歩く
119. 「水攻め」と1985年6月25日の集中豪雨
120. 明治用水頭首工漏水のニュース
121. 周防灘台風と開作
122. あの土はどこから来たのか
123. 「青函連絡船戦災の碑」
124. 東北から北陸にかけての「経験したことがない大雨」
125. 岩木川水系の洪水の記録
126. 「りんご台風」
127. 荒川氾濫と米坂線の不通
128. 福島潟と新潟県立環境と人間のふれあい館
129. 「大規模漏水から8週間」
130. 記録魔
131. 忘れるどころか日に日に思いが強くなる
132. 「東山武蔵路跡」
133. 日本最古の道、山の辺の道
<2023年>
134. 一年前の少し憂い気味のメモ
135. 利根川左岸にある明治43年大洪水の水害記念碑
136. 千代田町の「過去の災害」
137. 川や湖沼や海の名前がまた復活した
138. 荒川神社の築堤記念碑
139. 引き返すタイミングが書かれた記録
140. 稲敷市立歴史民俗資料館
141. 「興国寺城跡」
142. 後楽園用水とは何か
143. 新幹線57分遅れで到着
144. 知恵の樹の実を食べたくなる
145. 人生で最も真剣に投票した選挙
146. 行基さんの像と東大寺の行基堂
147. 「若草山から見た平城京」
148. 唯一の「交通系ICカードに対応した鉄道・バスが存在しない」県
149. 大雨で新幹線が運休した
150. 吉野川と「第十堰 その歴史と現在」
151. 「人間愛を貫いた武人」の記録
152. 「岡山の河川拓本散策」
153. 「岡山文庫」
154. 「荒川の恵み 四百年の歴史ある大里用水を次世代へ」
155. 公約にもないのに「敗戦」とか「後進国」と言われても
156. 庄川水資料館、閉館が決定していた
157. 「九頭竜川の治水の歴史」
158. 「九頭竜川流域誌」
159. 常福寺と伊澤弥惣兵衛の墓
160. 久喜市の「本多静六記念館」
161. 北楯大堰の「殉難十六夫慰霊塔」
162. 珠玉の謝罪会見文
163. 香川用水殉職者慰霊碑
164. 「大久保甚之丞君の碑」
165. 「平成6年未曾有の大渇水」
166. 種痘の効果があるようにうつ場所を変えてみた記録 (天然痘と種痘について書いた記事のまとめ)
167. イデオロギーでなく生活の記録を保存し続ける
168. 「高梁川東西用水組合設立100周年記念」
<2024年>
169. 「行基と狭山池」「狭山池と重源上人」
170. 「霞堤」や「放水路」のある地域では何が起こっていたのか
171. 武蔵小杉駅前の散策マップ
172. 行基さんと「知識」の人々の記録(行基さんの記事のまとめ)