水のあれこれ 218 本竜野の岩見用水

散歩の2日目の昼食は幻の揖保乃糸になってしまいましたが、これから訪ねる場所も揖保川沿いなのでどこかで食べられるだろうと再び姫新線に乗りました。

 

姫路方面に一駅もどり、本竜野駅から歩き始めて揖保川を渡り、揖保川沿いに歩く予定です。

 

ヒガシマル醤油工場の間にある用水路*

 

JR姫新線本竜野駅で下車しました。8ヶ月ほど前に姫新線の車窓からみた風景は山側の水田風景でした。

駅を降りて反対側の揖保川の方へと歩くと、何かよい香りが漂っていました。

ヒガシマル醤油の工場からの香りです。

関西出身の母が関東に嫁いできても使っていたので、この醤油の名前を知っていました。地図で揖保川周辺を見ていた時に、この工場とうすくち龍野醤油資料館を見つけました。

 

工場の間に川があると思って近づいたら、用水路でした。

敷地内を通っているように見えたのですが、一般の人も用水路沿いを歩けるようです。

 

途中に案内板がありました。

「岩見用水について」

 

 この用水は岩見井(いわみゆ)の幹線水路で、揖保川の水を龍野町日飼(ひがい)地先で堰き止め龍野市の小宅地区、誉田地区の一部と太子町の石海(せっかい)地区の大部分と姫路市旭陽(きょくよう)地区の田んぼに水を引いています。

 私たちの住んでいる地域の米づくりの歴史は、弥生時代に遡るものと推測され、『播磨国風土記(はりまのくにふどき)』にも岩見の由来が書かれています。

 昔、石海地区では林田川の水を利用していましたが、日照りが続くと干しあがってしまうため、揖保川の水を林田川へ落とし、更に川を堰き止め太子町に引いていましたが、今では林田川の川底をサイフォンで通しています。

 この岩見用水路は農業用だけでなく、地域用水としての大きな役割もある大切で重要な水路です。

 この度平成の大改修で、近代的な用水路となりました。また魚の住めるように魚巣(ぎょそう)等も作られています。

 用水にゴミを流したり汚さないよう皆さん心がけて、川辺をうるおいと憩いの場として大切にしていきましょう。

 平成17年3月     兵庫県揖保川岩浦土地改良区

 

 

2005年(平成17年)に設置された案内板も、すでに少し藻が生えたような色合いになっています。

 

 

工場の間に整備された岩見用水に沿って歩くと醤油の樽を作る作業場があり、ぐんと揖保川が近づいてきました。右手は、畑が残る古くからの住宅地になりました。

醤油を加工しているなんとも良い香りがずっと続いています。

 

そこにもう一つ案内板がありました。

地域用水機能増進事業

 

岩見用水は本来、生活用水と防火用水、景観保全と言われる地域用水機能を持っています。

 

近年の上水道の普及と水路周辺の宅地化・混住化などが影響して、地域用水としての機能が低下していました。そこで、平成12年度採択の「地域用水機能増進事業」を契機に、地域住民と土地改良区、行政機関がワーキンググループを立ち上げ、岩見用水の地域用水機能を増進するための方策を立案し、機能増進に必要な施設整備やPR活動として「ちいき用水だより」の発行や「岩見用水水まつり」の開催等に取り組みました。

 

事業主体 兵庫県揖保川岩浦土地改良区  事業期間 平成12年度〜平成21年度

 

用水路を愛する気持ちを忘れず、地域の共有財産である岩見用水路をみんなの力で守りましょう。

 

「ちいき用水だより」とか、「用水路を愛する気持ち」とか、ふらりと立ち寄ったこの街が一気に好きになりました。

 

 

きっとこの地域にも川がきれいになり始めた頃があったのだと想像できるのですが、実際にどのような雰囲気だったのでしょうか。

 

 

「水のあれこれ」まとめはこちら