水のあれこれ 228 矢川と矢川緑地

ママ下湧水の水田をうるおす水の流れの真ん中に、二つの流れが30mほど並行しながら府中用水に合流している場所があります。

2018年に初めて訪ねた時には、二つの湧水の流れがあるのかと思っていました。

その後、何度も地図を見直したり、「東京湧水 せせらぎ散歩」を読み返しているうちに、一つは矢川の流れであることがわかりました。

 

2018年はその矢川の水源に近い矢川緑地から矢川沿いに歩いたはずなのに、なぜわからなかったのか。

それを確認したくなりました。

 

*青柳段丘の上へと歩く*

 

地図で見ると、その箇所は複雑に水色の線が交わっています。

水田の途中で、ママ下湧水の一部と矢川が合流して府中用水へと流れる水路と、ママ下湧水がそのまま段丘沿いに流れて、また府中用水と交わる場所があります。

水路に囲まれた島のような場所に、農家とビニールハウスが建っているのでした。一日中、四方から水の音が聞こえてくるなんて、なんともうらやましい場所です。

 

前回はそのまま府中用水沿いに歩いて、途中、くにたち郷土文化館に立ち寄って、再び、段丘の下の田畑が残る場所を迷路のように続く水路に沿って、谷保天満宮まで歩きました。

 

今回は、ママ下湧水と府中用水が再び合流する場所から段丘の上へと歩き、瀧乃川学園の敷地を通る矢川を眺めたいと思いました。

うっそうとした雑木林の中を、矢川の流れが段丘の下へと流れています。反対側は、畑や住宅街の中を流れているのですが、そばを歩くことができない区間です。

 

一旦、いずみ大通りへ出て、都道256号線を東へと少し歩いたところから、左手に矢川の遊歩道が始まります。

反対側の矢川の流れはちょっと深い場所で、道路を隔てた川とは様相が変わります。

 

前回はなぜここから矢川のそばを歩けなくなるのだろうと思ったのですが、瀧乃川学園のあたりを歩いてみると、もしかするとこの辺りは段丘の下へと流れこむ前に、矢川が氾濫しやすかったのかもしれないと想像しましたが、どうなのでしょう。

 

*矢川に沿った遊歩道を歩く*

 

半世紀前の武蔵野の農地を思い出させるような屋敷の前に浅くゆったりした矢川の流れが続いて、家のそばには川に降りられるような石段があります。

 

そこから上流部も蛇行しながら比較的新しい住宅街のそばを流れ、国立市立第六小学校の校庭のそばには矢川憩いの広場があって水のそばを歩けるようになっています。

私が子どもの頃に小川に入って遊んだ記憶がよみがえるような懐かしい場所で、前回、校庭のそばにこんな場所があることがすごいと印象に残りました。

 

そして、現代の子どもたちが同じように遊んでいます。きっと大晦日の忙しい家から追い出されたのでしょうね。

 

*矢川緑地*

 

遊歩道に沿って住宅街を抜けると、矢川緑地の雑木林が広がっています。中に、木道が設置された湿地が保存されていて、前回は初夏の植物の香りが漂っていました。

 

矢川緑地

 矢川は立川段丘の湧水を集める約1.5kmの小さな川。その水源の一つとなっているのが、JR矢川駅の北西に位置する矢川緑地保全地域である。緑地は矢川を挟んで北側に雑木林が茂り、湧水は林の北辺や池の際に湧いて流れに注ぐ。南側は湿地が広がり、その中を木道がめぐる。流れの上流へ西側の道路を渡ると、矢川弁財天の井戸があり、裏手に湧水による清流が顔をのぞかせている。もっと上から流れてくるのだが、ここまでは暗渠になっている。一方、緑地から出た矢川沿いには甲州街道まで楽しい散策路が続き、途中、親水広場やホタル飼育地、屋敷林、洗い場などがある。甲州街道をくぐった矢川は青柳段丘の下をくぐり、ママ下湧水の流れとともに府中街道に流れ込む。

 

(「東京湧水 せせらぎ散歩」)

 

今回は弁財天の池を目指しましたが、やはり大晦日でお掃除の様子だったのでそばを通るだけにしました。

地図ではわからなかったのですが、弁財天の北側は崖のような場所で、西国立駅を目指すには坂道を上る必要がありました。

 

段丘の上にまた段丘がある。

国分寺崖線と立川段丘の境でしょうか。実際に歩いてみても、そして何度読んでも武蔵野台地の「段丘面」が複雑すぎてよくわからないままです。

 

今回の散歩は2018年の記録していなかった散歩の記録を兼ねたものになりましたが、変わらない風景に安堵しました。

 

 

「水のあれこれ」まとめはこちら