行間を読む 163 「朝鮮人蔘」から「高麗人蔘」へ

1960年代の子どもの頃に観た韓国の少女舞踊団とともに、最近しきりに思い出すのが高麗人参茶です。

やはり小学生の頃で、たしか高価そうな桐の箱に入っていたような記憶があるのですが、高麗人参茶の粉末パックが自宅にありました。

 

正確なことは覚えていないのですが、子ども心に驚いたのがその額で、30包か50包ぐらいの一箱が今の価格だったら1万円ぐらいでしょうか。当時の父親の公務員の給料を考えてもなぜそれがあるのかわからないような高いものだったように印象に残っています。

 

何に効くのかわからないのですが「高価な漢方薬」のような扱いで、そう言われれば飲んでみたくなるのが子どもですからねだられて仕方なく飲ませてくれたのでしょう、今でもその味を思い出すほど子どもには合わない味でした。

それほど長い間ではなく、高麗人参茶は自宅で見かけなくなりました。

 

父はどこから購入したのか、上下関係の厳しい職場で購入せざるをえない雰囲気でもあったのだろうかと気になっているのですがもう知る由もありません。

 

 

 

オタネニンジン

 

頼みの綱のWikipediaには「高麗人参」がなかったのですが、オタネニンジンとして説明がありました。

 

その中のこの部分が目にとまりました。

第二次世界大戦以降、日本の人蔘取扱業者は、輸入元の大韓民国で嫌がられる「朝鮮」の語を避けて「薬用人蔘」と呼称してきた。しかし、後に「薬用」の名称が薬事法に抵触すると行政指導を受け、呼称を「高麗人蔘」へ切り替えた。

韓国人と朝鮮人という呼び方には複雑な時代背景を子どもの頃から感じていましたが、人蔘の名前を変えるほどだったのですね。

 

そういえば90年代に、あえて「大韓民国南朝鮮と呼ぶのが正式名称」と言っていた方がいたことを思い出しました。その方にはどんな思想の背景があったのでしょう。

 

 

Wikipedia高麗には「朝鮮半島の名称「Korea(英語)」の語源になった」とあるのですが、「朝鮮」と「大韓民国」の名称の間にも複雑なねじれがあるのでしょうか。

お隣の国の歴史もほんとよく知らないままでした。

 

 

それにしても「オタネニンジン」だったら、なんだかあまり効果を感じなさそうですね。

 

 

 

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