越後川口駅からは飯山線に乗って、信濃川の上流へと向かいました。
「一時は廃止路線リスト候補に挙げられたこともある赤字ローカル線」と書かれていますが、休日だったこともあるのか、お昼の列車はほぼ満席になりました。
いよいよ、念願の飯山線の車窓の風景です。
数年前から90年代に信濃川を訪ねたことを思い出すことが多くなったことで、いつかはこの飯山線に乗って川沿いを見てみたいと思っていました。
ただ少し前までは、ローカル線を一人旅するなんてあれはテレビ番組のようで、実行するとは思ってもいませんでした。いまや、全国の鉄道に乗っているのですから、人生わからないものですね。
昨年、関屋分水と大河津分水を訪ねたあと、すぐにでもいけるように地図でなんどもみていました。
そして昨年9月に初めて北陸新幹線に乗った時には長野県内を流れる千曲川をずっと目で追っていました。飯山駅の手前で新潟方面へと山あいへ入っていくところも見逃さずに。
*令和元年東日本台風*
ところがまさかの昨年の千曲川流域の水害です。飯山線も不通になりました。
2019年(令和元年)
・10月12日令和元年東日本台風(台風19号)の影響により、全線運休となる。替佐ー蓮間で土砂流入、北飯山ー信濃間で路盤流出が発生する。
・10月16日森宮野原ー十日町間で本数を削減して運行再開。
・10月24日戸狩野沢温泉ー森宮野原間で運行を再開。
・10月26日全線で運行を再開。
「10月5日飯山線開通90周年号(DD16形)を運行」とあり、そのわずか1週間後には不通になってしまったようです。
飯山線が復旧した後も、しなの鉄道が全線運転再開になったのが11月15日で、昨年、信濃川・千曲川を眺めるという計画は延期になりました。
*飯山線で信濃川・千曲川へ*
越後川口駅を出ると、しばらく信濃川から離れたり近づいたりしながら右岸側を走ります。信濃川に近づいても河岸段丘の上を走っているようで、ほとんど水面は見えませんでした。
あちこちに棚田が造られて、稲穂が重くなり始めていました。
本当に美しい水田の風景です。
しだいに信濃川が見えるようになり、越後田沢駅をすぎる頃からは信濃川左岸ぎりぎりを列車が走るので、さまざまな川の様子を見ることができました。
日帰りの散歩では途中で充電できないので、スマホの電池を節約しながらなのですが、このあたりからGPSをオンにして、とある場所を見逃さないように車窓を見つめました。
足滝駅と森宮野原駅間にある新潟県と長野県の県境です。ここで信濃川から千曲川に名前が変わります。
車窓の向こうにはただ同じような森と川が続いているし、境界線があるわけでもないのですが、「ああ、このあたりで千曲川から信濃川になるのだ」という風景を見ることができたので満足しました。
帰宅してから航空写真を見ると、森と山しかないように見えたそのあたりも、少し川から離れたところには水田が整然と広がり、さらに山あいの奥深くまで谷津の地形を利用して棚田と思われる水田が広がっていました。
*なぜ信濃川と千曲川なのか*
もう一度信濃川を読みました。
信濃川(しなのがわ)は、新潟県および長野県を流れる一級河川で信濃川水系の本流である。新潟市で日本海に注ぐ。このうち信濃川と呼ばれているのは新潟県域で、長野県に遡ると千曲川(ちくまがわ)と呼称が変わる。
さらに「名称」ではこう説明されています。
古くは「大きな川」として「大川」(おおかわ)と呼ばれていたが、のちに下流部では信濃国から流れてくる川として、信濃川と呼ばれるようになった。
県境を越えると名称が変わる大きな川は、阿賀野川とか淀川のようにいくつもありす。
新潟では「信濃の方から流れてくる」から信濃川と呼ぶのに対して、その信濃の国では信濃川という名称にならなかったのは、川の名前にも代え難い歴史があるからなのかなと想像しました。
それにしても全長367kmという信濃川は本当に長いですね。車窓から見える場所を制覇するのに、まだもう少し時間がかかりそうです。
「散歩をする」まとめはこちら。