四日市のあたりで車窓から鶏頭の花が見えたのですが、長年の感覚の積み重ねからかこの花が咲くと他の秋の花も咲いているだろうと思いました。私にとっては秋の花のイメージです。
ところが「季節の花300」では「開花時期は、8/10~12/1頃」、Wikipediaの「ケイトウ」では「花期は5月から10月頃」になっていました。初夏から冬までけっこう開きがあり、自分の感覚なんてあてにならないものだと改めて思いました。
車窓から見えた真っ赤な花からさまざまな思いがでてきました。
*名前の由来*
まずはその名前です。
ブログの記事を書くときには一発で「鶏頭」という漢字に転換されたのですが、子どもの頃には母から「これはケイトウの花」と聞くといつも「毛糸(ケイト)の花」だと思っていた記憶があります。
クシュクシュっとした花の部分が子どもには毛糸の塊に見えたのだと思います。
それがまさかの「鶏のトサカ」だと知ってそう見えるようになったのはいつ頃だったのかは記憶にありません。
ちょっとおどろおどろしい名前ですが、それでも秋を代表する花の一つで可愛らしいと思ってきました。
「季節の花300」によれば、学名の「Celossia cristata」は「keleos(燃やした)」が語源の赤いという意味と「cristata(鶏冠状の)」という意味からきているようです。
花が鶏の鶏冠(とさか)状に見えるのでこの名前になった。英語でも「cocks-comb」(鶏のとさか)。この花は世界中のどの人が見ても「鶏の鶏冠に見えるのだろう」
(「季節の花300」)
そうだろうなと思いながらWikipediaを読むと、「かつては韓藍(カラアイ)と呼ばれていた」とあります。
まさかの色の表現も違う名前で呼ばれていたようです。
奈良時代、この花を初めてみた人たちは、どのように見えたのでしょうか。
そしていつ頃から日本では「鶏頭」になったのでしょうか。
*さまざまな園芸品種がある*
たまに真っ赤なあの形の花を見るとめずらしく感じるぐらいに、最近ケイトウの花をあまり見かけなくなったような気がしていました。
子どもの頃には見たこともないような花が日本の風景に増えて、ケイトウはもう人気もないのかと思っていたのですが、検索した写真を見るとこれもそうなのかと思うような変貌を遂げていました。
それなら店先でも見かけたことがあるのですが、ケイトウの半世紀ほどの変化を全く知らなかったと浦島太郎の気分です。
誰が、どんな熱意でこの花の品種改良を続けてきたのでしょうか。
子どもの頃は道端に咲いている野草ぐらいに思っていましたが、「育て方」を読むとデリケートで、どうやら種まきから誰かが育てていたもののようです。
秋の気配を感じ始める頃にこの花がない風景はちょっと考えられないなと思いながら、ケイトウについて書かれているものをあれこれと読みました。
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