観察する 71 リンドウの花びら

一日一日、暑さの中にも秋の気配を感じる9月です。

少しさびしいような、でも秋の美しさや豊かさもまた楽しみで、そのひとつがリンドウの季節だという子どもの頃からの記憶があるからかもしれません。

 

あまり耳にすることもないこの花の名前が、9月初旬にニュースになっていました。

 リンドウの花びら"葉と同じレベルの光合成"研究グループ

2020年9月2日、NHK NEWS WEB

 

一般に植物の花びらで光合成は行われていないとされていますが、岩手県生物工学研究センターなどの研究グループは、リンドウの花びらにある斑点で、葉と同じレベルの光合成が行われていることが分かったと発表しました。

岩手県北上市にある岩手生物工学研究センターなどの研究グループは、リンドウの花びらに見られる緑色の斑点に注目し、1年半にわたって電子顕微鏡や特殊な装置などで観察や解析を進めました。

その結果、

▽斑点の最も外側の表皮細胞の中に、光合成を行う「葉緑体」と呼ばれる器官が見つかり、

▽植物の葉と同じレベルの光合成を行っていることが判明したということです。

研究グループは「一般に花は光合成をしないとされており、植物学の常識を覆す新発見だ」としています。

斑点の目立つリンドウは、市場では価値が落ちるため、研究グループではさらに研究を進め斑点のできにくい新品種の開発にもつなげる計画です。

研究グループの1人で岩手生物工学研究センターの高橋重一研究員は「斑点の思わぬ構造に大変驚いている。リンドウは花が咲くまでに2年もの時間がかかるため、生産者の労力を減らすことが実現できれば、さらにうれしい」と話しています。

 

光合成は緑の葉っぱで行われている」ぐらいの知識しかないので、この研究の専門的なことはわからないのですが、リンドウの斑点をなんとかしようと研究していたらその斑点の部分で光合成が行われていることを見つけたという「瓢簞から駒」だったのでしょうか。

 

それにしてもリンドウには花びらに斑点ができてしまうことがあり商品価値がなくなることと、リンドウが咲くまでに2年かかるという話は目から鱗でした。

 

そういえばリンドウが好きなので、以前何か書いたはずと検索したら、3年前にありました。

そこで岩手県の安代リンドウについて引用していました。

もしかしたら、この地域の生産のための研究成果だったのでしょうか。

お花屋さんの店頭にある植物も、こうした時間をかけた観察によるのですね。

 

北上市を流れる北上川の美しさと大好きなリンドウの花が重なりました。

 

 

「観察する」まとめはこちら