水のあれこれ 309 「水の王国とやま」

明治時代の重厚な建物を利用した砺波郷土資料館の中は、水田と散居村から別の世界に迷い込んだかのような華やかな展示品がたくさんありました。

これもまた砺波平野の生み出した豊かさでしょうか。

 

出口で「水の王国とやま」というパンフレットがありもらって帰りました。

「水利施設に見る先人の工夫と努力」と表紙に書かれていて、開くと「農業関連施設」「水道施設」「発電施設」の説明と、「小矢部(おやべ)川」「庄川」「神通(じんづう)川」「常願寺川」「片貝(かたかい)川」そして「黒部川」の説明が書かれています。

 

富山湾のわずか30kmほどの間に河口が集中する注ぐ大きな河川のそれぞれの流域にある堰や用水路などの水利施設、歴史的な土木建築物そして「水の開拓者たち」などが網羅された充実したパンフレットでした。

 

 

最近ようやく水利施設の全体像が見えるようになってきたのですが、このパンフレットの「農業関連施設」では簡潔にそれがまとめられていました。

①溜池

 山間や丘陵地の小さい谷や川をせき止めた谷池と平地のくぼ地を堤防で囲んだ皿池があります。本県では多くが谷池です。

 

②用水路

 土や石積みの多くがコンクリートや鋼材に更新されています。水路は隅々まで張り巡らされ、水田率の高さは全国一位です。

 

③頭首工・取水口

 頭首工は、川の流れをせき止めて水を用水路に取水する施設ですが、洪水調整や発電兼用のものもあります。昔は木組と石積みで作られ取水に苦労していました。

 

④分水施設

 取り入れた水を公平に分配するために工夫された分水工には、背割り分水、射流(しゃりゅう)分水、円筒分水などがあります。

 

⑤水車

 水のエネルギーを回転する機械エネルギーに変える発動機です。脱穀や製粉、揚水のほか、発電でも使われます。

 

⑥偉人の顕彰碑や墓

 各地で地域に水路を引き、開拓を行なった先陣を讃えた記念碑や銅像、墓が大切に守られています。

 

⑦その他

 神社や祠、事業完工記念碑・公園などがあります。

 

ああ、まさに私が訪ね歩いているものではないですか。

 

自分が住んでいる地域を知ることができるというのは、うらやましいですね。

 

A4用紙わずか8ページほどにまとめられたこのパンフレットですが、次々に散歩の計画が浮かんできました。困りましたね。

 

 

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