子ども頃にはお米の名前ではなく等級で購入していた記憶があるのですが、今年は久しぶりにその等級をニュースで耳にしました。
「味は同じ」あえて二等米をブランド化 記録的猛暑で一等米激減
記録的な猛暑の影響で、色や形の整った一等米の収穫量が大きく減っています。
▪️猛暑がもたらす一等米不足「どうにもならない」
食欲の秋、新米の季節です。「食卓の主役」お米に今、異変が起きています。
米どころの新潟県十日町市でおよそ50年間、コシヒカリを生産してきた花水農産の宮内賢一さん。今年は猛暑の影響で、米作りは難航を極めました。
宮内さん:「今年はどうにもならない。これだけ努力して二等米なんだから、もうどうにもならない」
去年の同じ時期に新潟県で収穫されたコシヒカリのおよそ8割は、形や色などの評価が最も高い一等米でした。ところが今年、収穫された一等米は、全体のおよそ4割にとどまっています。
宮内さんは例年、9割ほど一等米を出荷していましたが、できたものは二等米ばかりでした。
宮内さん:「今のところ全部二等米ですよ。一等米はないですね」
一等米との違いは形や色が整っていないだけですが、業者の買い取り価格は低くなります。さらに、今年は売り物にならないような米も多く、収入面で大きな打撃を受けています。
宮内さん:「今年は700万円ぐらいの損害。挽回(ばんかい)できるような金額じゃないですよ」
▪️農家支援へ 味は変わらない二等米
猛暑の影響で形や色の整った一等米が減少し、米農家は収入面で大きな打撃を受けています。
こうしたなか、新潟県柏崎市では一等米が取れないことを逆手に取った奇策を打ち出しました。
柏崎市 桜井雅裕市長:「一等米と二等米、おいしさは変わらない。『米山プリンセス・シスター』として、『米山プリンセス・シスター』と同様に販路を求め営業してまいりたい」
米山プリンセスは、柏崎市が制定した「おいしさ・見た目・栽培方法」など厳しい基準をクリアしたコシヒカリの一等米です。
今年は一等米の収穫量が極めて少ないため、味などの基準を満たした二等米を「米山プリンセス・シスター」とブランド化し、一等米よりも少し安い価格にして特例で販売するというのです。
アグリメディア研究所 所長・中戸川誠さん:「何が違うかというと、見た目が違う。完全に見た目だけ。苦肉の策だと思います。本来なら一等米のみをブランド化していたけれど、今年2023年産に限ってそこを認めている」
見た目が整っていないだけで、味は変わらない二等米。消費者が積極的に食卓に取り入れることで、苦しんでいる米農家の支援につながるといいます。
中戸川さん:「曲がっているきゅうりもある。味は曲がっていても変わらない。お米も見た目の違いはあれど、みなさん食べましょうということ。我々消費者も気を配っていくということは必要」
(「グッド!モーニング」2023年10月9日放送分より)
一等米と二等米の違いもよく知らないまま、ブランド名と価格で購入する時代になって40年ほどになりました。
東南アジアの市場にたくさんの種類のお米があったときの戸惑いと同じく、今まで国産米についても「見た目」の違いもよくわからないままです。
肝心の「味の違い」も、炊き方などによっては美味しいとかちょっとと違いを感じるのですが、結構名前のイメージで思い込んでいるところも私にはあります。
庄内平野で食べた中華丼もとてもご飯が美味しいと思いましたが、もしかすると別の産地だったかもしれませんからね。
今年の猛暑の中でも散歩をしたあちこちの田んぼでは、稲穂が重たくなって美しい風景でした。
「見た目が整っていないだけで、味は変わらない二等米」
無事に収穫できても、過酷な時代ですね。
「米のあれこれ」まとめはこちら。