Calvin & Hobbs

ついこの間、前を歩く50代前後のサラリーマンとおぼしき人の鞄にふなっしーのキーホルダーがついていました。
数センチぐらいはあったし、あの鮮やかな色ですからけっこう目立っていました。
会社では何と思われているのだろうとちょっと心配になりながらも、私たちの年代でもこういうぬいぐるみに愛着を持っていることを表現できる時代になった変化を感じます。


そういう私の家にもぱちゃぽがありますし、競泳会場にいくといつもぱちゃぽのキーホルダーを買おうか悩んでは止めています。


そしてもうひとつ、30年ほど前に難民キャンプで知り合った友人からもらった小さなぬいぐるみがあります。
見た目は鹿なのですが、彼女が教えてくれたのは「deer」ではなく「moose」でした。
当時の英和辞典では見つけだせなくて、しばらくしてからそれがヘラジカであることを知ったのでした。
いろいろな物を処分してきましたが、なんとなく捨てられずにいます。


<カルビンとホッブス


さて、今日のタイトルですが、1980年代終わり頃からしばらく購読していた英字新聞に掲載されていた漫画のタイトルです。
この漫画を読みたくて購読していた、のかもしれません。


想像力豊かな6歳の男の子カルビンと彼の最大の友人であるぬいぐるみのトラ、ホッブスのユーモラスで一風変わった日常を描いた作品。

カルビンは、感情的で創造性豊か、元気がよく好奇心旺盛、賢さも見せるがたびたび自分勝手さも見せる6歳児男児である。描かれたカルビンはとてもかわいらしい男の子だが、その行動と言動はひどくシビアであり、そのギャップがカルビンの魅力となっている。

ホッブスはカルビンの友人のトラである。カルビンにとってホッブスは生きており現実の存在である。しかしカルビン以外の者にとってホッブスは単なる小さなぬいぐるみのトラにすぎない。

漫画の始まりには、部屋に置かれたホッブスはぬいぐるみのトラとして描かれます。
ところがカルビンがなにかいたずらを思いついたり、小悪魔的にニヤリと笑うと、ホッブスは生きたトラになり、カルビンとあちこちへ出かけるのです。

カルビンとホッブスは、一緒におしゃべりや遊びに夢中になる無二の親友の間柄である。2人はしょっちゅう言い争いや取っ組み合いを繰り返すが、すぐに仲直りする。

この漫画を読んだのは30代に入る頃でしたが、「この年になってこんな空想の漫画に夢中になるなんて」と自分でもちょっとあきれていました。


いまこうしてWikipediaを読んでみると、「ホッブスの現実性」のところに書かれている「ホッブスは、現実のトラに変身する人形というよりも、想像から生まれた現実のようなもの」というあたりに納得します。



当時は現実と空想あるいは妄想と、もう少し線引きができたからこそこの漫画がおもしろかったのではないかと思います。


あの頃にくらべると、今は想像上の話しと現実が区別つきにくくなったと感じます。
いえ、それもふくめて「現実」なのでしょうけれど。