「好き」「嫌い」とか「気にいる」「気に入らない」って、ほんと、他愛もない感情なのに、時々社会を分裂させるほどのエネルギーになる怖さを感じるこの頃ですが、今日はもっと他愛もない話です。
2015年に上野動物園にパンダを見に行って以来、最近ではパンダが生まれた後の体重減少率まで計算するほど、パンダの世界が気になっています。
私の周囲でもパンダを好きな人は結構いるのですが、「どこが好き?」と尋ねても、「だって可愛いもの」の答えが多そうです。
なんで好きなのだろう、何が好きなのだろうと、言葉にならない思いは人それぞれのようです。
私はといえば、最初の頃はあの白黒の模様のバランスが気になっていました。
特に後ろ姿の、ジャンパースカートを履いたような模様がなんとも好きになりました。
でも、それならアリクイなど似たような姿の種もいますが、パンダの後ろ姿にゾクゾクするような感情は湧き上がってこないのです。
白黒の配色に対しても、私の亡き父のように「ずる賢い目をしている」と坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという気持ちになる人もいますし、私自身、1990年代半ばに「たれぱんだ」が多くの人の心を惹きつけたときにも「白黒の模様なんて可愛くない」と思っていましたから。
最近、もう少し、何が好きなのか見えてきました。
パンダの後ろ姿の耳が好きなのかもしれない、と。
白い頭の上に半円形の黒い耳がちょこんと乗っているあの感じです。
で、お気づきの方もいらっしゃるかもしれないですけれど、あれは半円形じゃあないのですね。
黒い半円形にさらに3cmぐらいの白い部分があるのです。
あの耳の形と配色は、どういう理由があるのだろう。たまらなく、そこに魅力を感じています。
あ、こうなるとfetishismですか。
いえ、私はパンダの生活史に関心があるのですけれど、「異常な好き嫌い」と「対象に対する飽くなき関心」も、紙一重になる厄介さがあるのかもしれませんね。
幸い、パンダに対して他の種を嫌いという感情はないので、今のところ私の「好き」は「関心」だと思っていますが。
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