岡山を10時4分に出発した特急やくもは、13時7分に出雲市駅に到着しました。
まだ薄暗いうちから新幹線に乗り、長い長い、でも充実の列車の旅が一旦終わりました。
ここからはいよいよ歩く散歩です。
11月下旬の山陰は検索すると雪が降る時もあるらしいので寒そうですが、この日は13度もあって、上着を片手に歩いた方がよさそうでした。
まずは駅の観光案内所に行きました。
あらかじめ地図を見ながら計画はできていたのですが、地元の方に確認した方がよいかと思いました。
「斐伊川放水路まで歩いて行きたいのですが、30分ぐらいでいけそうでしょうか」と。
おそらく、「出雲大社」とか温泉とかの観光スポットを聞かれると思ったのでしょう。ちょっと不意打だったようで、え?と戸惑われていましたが、「歩くのはちょっと大変かもしれません。ここを通るバスがもう少ししたら出発しますよ」と教えてくださいました。
ちょうどあるならバスを利用してみようと思い、路線バスに乗り、島根大学医学部付属病院で降りました。
路線バスは病院正面に止まりますから、いろいろな人が出入りしていているのが見えます。ちょっと日常の生活に気持ちが戻りましたが、そこから放水路を目指して歩き始めました。
そこからでも放水路までは十数分ほど歩きましたから、観光案内所の方のアドバイスを受けてよかったと思いました。歩いて目指していたら、次の電車に間に合わなかったかもしれません。
*斐伊川放水路*
歩いて10分ほどで、放水路の堤防が見えてきました。
行く前に航空写真で見て想像していた通り、斐伊川放水路も山と山の間を開削したように見えました。あの大河津分水の風景に似ています。
大河津放水路は滔々と水が流れていて普通の川に見えるのに対して、斐伊川放水路にはほとんど水がないのは豊川放水路や狩野川放水路に似ています。
この1年間で、放水路をいくつか見に行ったので、水がなくてもその役割があることを学んだので、散歩の甲斐があったかもしれません。
斐伊川放水路のそばでは除草作業や堤防の点検作業が行われていました。
放水路と神戸川の向こうには水田地帯があって、「神原用水路」と表示された用水路がありました。やはり「神」の多い場所ですね。
来た道を戻ると、ちょうど出雲市駅行きのバスがあり乗りました。
おかげでお昼ご飯をゆっくり食べる時間ができました。
駅前のお店で「そば定食」を頼みましたが、舞茸の炊き込みご飯のついたお蕎麦で、どちらもとても美味しかったです。
歩いて暑かったのでざるそばにしたのですが、つけ汁の容器には出汁だけが入っていて、別の濃縮したつけ汁を自分で入れて濃さを調節できるというものでした。
減塩にはとてもよい方法で、そば湯までしっかり飲みほすことができました。
出雲市を出発する前に、観光案内所にもう一度立ち寄って、バスを教えていただいたおかげで充実した時間を過ごせたとお礼を伝えました。
さて、ここからまた列車の旅に戻ります。
*おまけ*
今、こうして地図やメモ、そして写真を見て思い出していると、実際に歩いた方向と地図との方向が反対になって混乱しながら文章を書いています。
太平洋側を歩くときはそれほどでもないのですが、東北とか北陸、そしてこの山陰ではしばしばこの方向感覚を失う感じに襲われてとまどっています。
「散歩をする」まとめはこちら。