散歩をする  200 田浦から横須賀へ

近くに一足先に水仙が咲き始める庭があるので、12月になると「水仙がたくさん咲いている場所に行きたい」という気持ちが強くなるのも例年のこと。

 

ただし、人が少なくてイベントなどのない静かな場所が好みなので、今年はどこに行こうかと探していたら、田浦を見つけました。

地図で見ても、周囲は自衛隊や工場などがあるくらいで静かそうです。

 

早速12月中旬に出かけてみました。

武蔵小杉駅で新幹線を何本も見た幸運はこのときのことです。

これはきっと良い散歩になるはずと、気分は上々で横須賀線に乗り換えました。

 

水仙には早かった*

 

田浦駅は山と山の合間にあって、横須賀線の11両編成の先頭車両はホームがトンネル内になってしまい、ドアが開かないという場所でした。

谷戸地形によるトンネルが多い地域のため、当駅は両端をトンネルで挟まれている。このためプラットホームの有効長が10両分しかなく、11両編成の列車は、当駅においては先頭1両(上り列車は大船方、下り列車は久里浜方)の全てと2両目の一番前よりの扉を締め切り扱い(ドアカット)としなくてはならない。

 

赤いレンガ造りのトンネルが残っていて、1904年(明治37年)に開業した当時のものでしょうか。あらかじめ知っていたら、先頭車両に乗って、トンネル内に停車するのを体験してみたかったですね。

ちょっとしたこんな鉄道の歴史にふれられただけでも、新幹線をたくさんみた「ご利益」かもしれません。

 

残念ながら、駅についたところから小雨になりました。田浦梅林の案内板に沿って小高い場所に向かいました。

家はあるのですが人に出会わず、ちょっと心細くなりながら山道に入るところに「マムシに注意」と書かれていていました。12月だから大丈夫だろうと思いつつ暖かいのでもしかしたらハチにも出会うかもしれないし、さすがにクマはいないだろうけれどイノシシや猿もいるかもしれないとちょっとビビりました。

早咲きの水仙や梅を期待したのですが、時期が早すぎたようです。咲いているどころか、まだ葉の背丈も十数センチほどであと1ヶ月は先のようでした。

静かな住宅街を戻りました。

 

*横須賀から横須賀中央へ*

 

40年以上前に一度、横須賀駅に行った記憶があります。

目の前にすぐ灰色の軍艦が停泊していて、たしか晴れていた日なのですが灰色一色の街の印象がずっとありました。

横須賀駅横須賀中央駅の違いに混乱していたのですが、「アド街ック天国」で時々、横須賀の特集があってそれを見てだんだんと私が行ったのは横須賀駅だったと確信しました。

 

せっかく田浦まで来たので、横須賀から横須賀中央まで歩いてみたくなりました。

横須賀駅の手前から、大きな灰色の海上自衛隊の艦船が見え始めました。3階建てのビルぐらいある、大きな姿にちょっと驚きました。

駅のすぐ前にヴェルニー公園が海岸沿いに整備されていて、12月でしたがバラがたくさん咲いていました。2002年に完成したようです。

その先には海に面してスターバックスのお店があり、たくさんの人が艦船やドック、そして海を見ながらコーヒーを飲んでいます。

まだ小雨が降っていて空も灰色で、それこそ白黒の風景に見えるはずでしたが、意外にも華やいでいました。40年の間に、私の気持ちもいろいろ変化しました。

 

そこから横須賀中央まで、歩いてみました。

米軍基地の横から、三笠公園に向かう遊歩道が整備されていて、水が流れています。

目の前に「戦艦三笠」があるのですが、現代の艦船に比べるとこじんまりとしています。

平日の雨の中でしたが、この公園を訪れる人があとを切らないのにも驚きです。

 

思えば軍港のある街を訪ねたのは、あの時以来です。

季節によって、天気によってもまた見える風景が違うかもしれませんね。

またいつか歩いてみようと思いました。

 

帰りは、横須賀中央駅から三崎港行きのバスに乗り、三崎街道を通って「林」というバス停で今度は逗子行きのバスに乗り換えました。

このルートを決めた理由は、以前から気になっていた「衣笠十字路」を通ってみたいと思ったからです。

 

横須賀中央駅付近の華やかさから抜けると、昔の商店街だったのだろうと思われる坂道沿いの街がありました。

衣笠十字路、検索してもよくわからないのですが、きっと人や物が昔から行き交っていた場所なのかなと想像したのですが、どうなのでしょう。

 

水仙を見るには気が早すぎましたが、おもしろい散歩になりました。

 

 

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