記録のあれこれ 56 水仙の記録

12月でもまだコートを手に持って歩くときもあり、寒さはつらくはない時期ですが、出勤時も薄暗くそして帰宅時には真っ暗になる日の短さがなんともどんよりとする季節です。

早起きして散歩に出かけても、見てまわれる明るい時間帯が5月や6月ごろに比べると3時間ぐらい少なくなってしまいますしね。

 

なんとなく、10月終わり頃からトボトボと下を向いて歩いているのかもしれません。

駅へ向かう途中の角にある家に小さな花壇があって、下を向いて歩いているといつの間にか水仙の定点観測をしていました。

今年も10月に入る頃には何もなかった地面から緑の葉が出始めていて、そうこうしているうちに11月に入るとニラと間違えて食べてしまったニュースが聞こえ始め、水仙の葉もすくっと20cmぐらいに青々とまっすぐ伸びています。

 

1ヶ月ほどでのその成長の早さに驚いていると、11月下旬には先端が少し膨らみ始めてきました。葉っぱだと思っていたのですけれど。

11月下旬から12月始めには1輪また1輪と咲き始めて、12月半ばには3分の1ぐらいが咲いています。

 

「今年は11月から咲いているなんて、早いな」と思いながら、ブログの中の水仙の記事を検索すると、2014年に今年は水仙の咲き始めが早いようですと書いた後も、なんだかんだと毎年のように狂い咲きか早咲かとか季節のゆらぎかと、水仙の開花状況に一喜一憂しながら記録を残していました。

 

どうやらその家の水仙は、毎年11月下旬には咲き始めているというあたりが見えてきました。

その花壇は一日中日当たりも良さそうなので、早いのでしょうか。それともそういう品種なのでしょうか。

そして小さな花壇なのに、これから2月、3月ごろまで花が途切れることなく咲いて慰めてくれます。魔法のように次から次へと蕾ができては、あのなんとも美しい色や形の花が、毎年同じように咲くことが不思議です。

 

日が短いこの季節から寒さの厳しいこれからの2ヶ月ほど、トボトボと歩いていると、寒いし日も短いけれど元気を出してねと励ましてもらっていた花なのだと、日記を読み返しました。

 

現代のような暖房もなく厳しい冬の時期、大昔から水仙の花は人に希望の光を与えていたのかもしれませんね。

年々、好きになって来た花です。

 

そしてふと、いつもより日差しが明るく感じた日がありました。

ちょうど冬至の日でした。

そうだ、これからは少しずつ日没が遅くなるのだ。水仙の花は、そういう経験値を思い出させてくれる花なのかもしれません。

 

 

 

 

 

「記録のあれこれ」まとめはこちら