昨日25日に、緊急事態宣言が全国で解除になりました。
4月から5月にかけて、仕事が休みの日には2日とか3日とか家から一歩も出なかったのですが、こんなことは人生でも初めてかもしれません。
時には公園や神社へ散歩に行ったのですが、住宅街ではむしろ休日以上の人口密度でしたから、最初の頃は近所の散歩も躊躇しました。
家にこもったおかげで、たまっていた2月から3月にかけての遠出の記録を少しずつ書きためることができました。
みなさん、いろいろな「おうちでの過ごし方」を工夫されていましたね。
私がこのちょっと修行のような時間を耐えられたのは、窓から緑が見えたからです。
隣の家は少し離れているのですが、その屋根の向こう側に大きな木が一本あって、その上の方が一部ですが、見えるのです。
その木がなければ、外の風景は屋根だらけです。
この家を選ぶときの決め手も、実はこの木でした。
20代から家を借りるようになって数軒目ですが、夜中に通勤する怖さもあるので駅に近いとか人通りの多い地区にあるといった条件と、女性が部屋を借りる制約が多かった時代とで悩むことも多かったのだと思いますが、絶対に外さない条件に窓から見える風景がありました。
目の前に木が見える。
幸運なことに、その願いが叶えられて今に至っています。お隣の家の庭木だったり、公園だったり、窓の風景に木がありました。
その木を見ていると、1時間でも2時間でもぼーっとしていられます。
もしあの木がなかったら、この2ヶ月ほどは幽閉されている気持ちが強くなっただろうなと、その存在をますます感じるようになりました。
住宅街のあちこちに鎮守の森が守られ、公園が整備されていることもまた、今まで以上にありがたいことだと思えた2ヶ月でした。
防災目的の公園には当初考えられていなかったのかもしれませんが、感染症拡大という災害時にも緑がたくさんあったことで慰められたのでした。
それは、誰かの手によって手入れが行き届いているからですね。
窓の向こうに見えるあの木が、どうか伐られませんように。
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