水のあれこれ 128 感染症とプール、そして「水難学」

記憶にある限り、感染症が原因でプールが休場になることは初めてで、私自身もあまり考えたことがないことでした。

あのノロウイルスロタウイルスのように家族中で感染したり、空気感染の麻疹や水痘が流行する時にさえ、プールの閉鎖はありませんでしたから。

 

今回のプール休場の判断の根拠はなんだろうと思っていたら、YAHOO!JAPANに「新型コロナウイルス渦中の水泳プール営業状況」(2月28日)と、「新型コロナ感染拡大スピード抑制 水泳プール開館/休館の差と課題」(3月1日)というまとまった記事がありました。

 

斎藤秀俊氏(一般社団法人水難学会会長 国大法人長岡技術科学大学大学院教授)という方が書かれています。

人類誕生以来600万年にも及び、祖先は水難という不幸と闘ってきました。そのような経験が我々の遺伝子の中に「水難は神の領域」として埋め込まれているかもしれません。600万年も続いた事象を10年や20年で解決できるわけないですが、水難学は、予防、事故、事件、ういてまて、救助、水辺のケガや急病まで幅広い事象を扱いますので、風呂から海まで水にまつわる事故・事件、津波災害や大雨災害に関する話題を提供しています。また、小型船を日頃から操縦していますので、船舶事故により、引き起こされる水難の解説にも足を踏み入れます。

 

 

「水難学」という学問があり、今回のような感染症も「水辺の急病」という事象で捉えられている方々がいらっしゃるのですね。

 

その会のHPを読んでみました。「会長挨拶」にこう書かれています。

水難に遭ったらどうすればよいか、様々な解説がなされました。しっかりとした研究がなされないから、検証もされず妄想に基づいた解説がおこなわれる風潮がありました。昔は正しかったかもしれませんが今は間違っているという解説もありました。ひとりの妄想におどらされることなく、誰もが水難から生還するにはどうしたらよいか。その答えを出すためにはさまざまな分野の専門家が建設的に議論する立場が必要です。一般社団法人水難学会はそのために設立されました。

 

いろいろな考え方があるとは思いますが、災害時の信頼の得られる情報のひとつという印象を受けました。

 

陸にあがった河童も、水難という視点でこの感染症とプールについて勉強しようと思います。

 

 

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