十三湖のしじみの中で、「シジミの栄養価が認められて価値が出たのはここ30年ほどで、それまでは二束三文で売られていた」という話に、半世紀ほど前の子どもの頃にも「シジミは肝臓にいい」という話を聞きながら食べていたことを思い出しました。
Wikipediaのシジミには「江戸時代の昔より肝臓に良い食材とされている」とあるので、「肝臓に良い」は昔から言われていたのだろうと思います。
おそらく「オルニチン」を耳にするようになったのが30年ほど前だったのでしょうか。
幼児の頃に海から遠く離れた山間部へ転居したのですが、それなりにシジミは食べた記憶があります。
あのシジミはどこから来たものだったのでしょう。
貝殻から外しながら食べるのでちょっとめんどくさいのですが、あの内側の薄紫色に輝いている貝殻は惹きつけられるものがありました。
80代半ばになる母も、子どもの頃から近くの川でシジミ採り をしたり、高梁川河口の干潟で潮干狩りをしていたようなので、シジミやアサリといった貝類を食べることは日常的だったようです。
山間部では「二束三文」ではなくそれなりの値段だったような記憶があるのですが、1960年代70年代ぐらいだと、まだまだ貝はそのあたりで採ってくるものだったのかもしれません。
通算3年ほど暮らした東南アジアのある地域では海や川が身近で水産物をよく食べていたのに、そういえば貝を食べた記憶がないとふと思い出しました。
市場でも見た記憶がないのですが、食のタブーでしょうか。
貝、エビやカニ、イカ、タコと言った魚類以外のほとんどの海産物は水中に住んでいるが、鰭と鱗を持たないので、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教の一部の教派によっては食べることを禁止されている。
キリスト教、イスラム教の人たちが住んでいる地域でしたが、エビやカニは食べていた記憶があるので、宗教的なタブーでもなさそうです。
日本だと、古代から人が住んでいた証拠として貝塚があるし、当たり前のように食べてきたのですが、貝を食べない文化はどの辺りで、どんな理由なのだろう。
急に気になってきました。
こうやって貝のことを考えただけで、食べたくなるのですけれどね。
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