時間があると地図であちこちの川の流れを眺めているので、水害のニュースがあるとまるでその地域を歩いたことがあるかのような気持ちになります。
2月に九州新幹線を見て、今年は絶対に乗ってみたいと思いながら九州各地の地図を眺めていました。
九州は、三十数年前に佐賀と長崎に行って以来です。
地図で九州の川や海岸線を眺めているうちに、八代市沿岸が干拓地らしいことに目が止まり、行ってみたいと思うようになりました。そこから肥薩線で球磨川を眺めながら鹿児島へ出るか、宮崎に出るかと架空の旅をしていました。
7月4日の夕方、その球磨川の氾濫のニュースを知りました。
それからはあの熊本地震の時のように、ニュースを追っています。
*バスや鉄道の被害*
一夜明けて、次々とまた被害の大きさが伝わってきました。
昨年10月12日の令和元年東日本台風(台風19号)のように、バスや鉄道が水に浸かってしまったニュースと橋が流されたニュースがありました、
バス会社の車庫水没 23台すべて廃車か 熊本 人吉
2020年7月5日 14時16分
球磨川が氾濫した熊本県人吉市ではバス会社の車庫が水没し、運行していた23台のバスがすべて廃車となるおそれが出ています。
記録的な大雨で、人吉市にある「産交バス」の人吉営業所の車庫は、川からあふれた水でおよそ1.8m の高さまで水につかる被害を受けました。
この車庫には路線バスと貸し切りバス合わせて23台がとめられていましたが、会社が調べたところ、いずれも車両に不具合が見つかるなどし、すべて廃車になるおそれが出ています。
中には新型コロナウイルスの感染防止対策をほどこしたばかりの貸し切りバス4台も含まれていたということです。
この営業所からバスを回すなどして、数日後には運行再開を目指したいとしています。
大雨の際に対応にあたった営業所長の村口昭寛さんは「新車を購入して乗務員にはっぱをかけたばかりだったのに、無念です。まずは路線の再開を目指したいです」と話していました。(NHK NEWS WEB)
たしかテレビの映像では、この所長さんが泣いていらっしゃいました。
熊本 くま川鉄道 鉄橋流失 全車車両浸水 復旧にはかなりの期間か
2020年7月5日 19時17分
熊本県の人吉市と湯前町を結ぶ 「くま川鉄道」では、球磨川の氾濫で鉄橋が流されたほか、すべての車両が水に浸かる被害を受け、復旧にはかなりの時間がかかる見通しです。
5日開かれた県の災害対策本部の会議で公共交通機関の被害状況が示され、くま川鉄道は、球磨川の氾濫によって「球磨川第四橋梁」と呼ばれる鉄橋が流されたということです。
また、人吉温泉駅に停車中だった5両編成の車両がすべて水につかったということです。
こうしたことから復旧にはかなりの期間がかかる見通しとなり、通学などに支障が出る恐れがあることから、熊本県は代替バスの運行などについて早急な検討が必要だとしています。(NHK NEWS WEB)
「文化遺産オンライン」によると、「球磨川第四橋梁」は川辺川と球磨川の合流地点にかかる橋梁で1937年に造られたもので、322mの「球磨川本流に架かる長大な橋梁で、くま川鉄道を代表する土木構造物」と書かれています。
「乗りものニュース」によると、肥薩線でも橋が2本流失しているそうです。
国土交通省によると、肥薩線は鎌瀬〜瀬戸石間(熊本県八代市)の球磨川第一橋梁(きょうりょう)が流失したほか同路線の複数箇所で線路が冠水。「確認中としていた那良口〜渡間の第二球磨川橋梁も流失が確認されました。第一・第二橋梁ともアメリカで造られたピン結合方式のトラス橋で、およそ110年前の明治時代に架けられました。
一世紀という交通の歴史が、一晩にして流されてしまう無念さ。
建築物だけでなく、線路や道路を整備し維持してこられた方々の無念さはいかばかりでしょうか。
復旧までどれくらいの時間がかかることでしょうか。
あの芸備線沿線で見かけたような各地の「祝 全線復旧」の横断幕にどんな歴史や思いが込められているのか、いままで私は無頓着すぎたのでした。
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