アサリやシジミについて考えていたら、アサリのニュースが目に入りました。
有明海のあさり 平均2割死ぬ 豪雨で塩分濃度低下が原因か 福岡
(2020年7月17日、NHK NWES WEB)
福岡県の有明海で、特産のあさりが一定数死んでいることが分かり、専門家は記録的な大雨で大量の真水が海に流れ込み、塩分の濃度が低下したことが原因の一つだと指摘しています。
有明海は、国内でも有数のあさりの産地の一つで、特産ののりと並ぶ代表的な海産物となっています。
今回の記録的な大雨を受けて、県の水産海洋技術センターや地元の漁況の連合会は、今週はじめにかけて柳川市や大牟田市の有明海の4か所で緊急の調査を行ないました。
その結果、調査で取ったあさりのうち、平均でおよそ2割が死んでいることが確認され、状態からこの10日間ほどの間に死んだとみられるということです。
有明海の沿岸部では大雨が降った今月6日以降、塩分の濃度が平均的な値の5分の1以下に低下し、今も低いままになっています。
センターなどによりますと、あさりは塩分濃度が低い状態が続くと弱って死に至るということで、記録的な大雨やその後の断続的な雨で大量の真水が海に流れ込み、塩分濃度が下がったことが原因の一つだと指摘しています。
福岡県水産海洋技術センター有明研究所の佐野二郎資源増殖課長は、「今も川の流量が多く、塩分が低い状態が続いており心配だ。再度調査を実施し、被害が拡大していないか確認していく」と話していました。
「塩分の濃度が5分の1以下に低下し」とのことですが、先日の長雨は本当にすごい量の水が海に流れ込んだのですね。
シジミは汽水とか淡水でも生息していると思っていたので、アサリも同じようなもので、塩分の濃度の変化にはけっこう適応するのかと勝手に思っていました。
Wikipediaのアサリの「分布」では、「汽水状態を好み、成貝は海岸の潮間帯から干潮線下10mほどまでの、浅くて塩分の薄い砂あるいは砂泥底に分布する」と書かれていますが、この一行がわかるまでどれだけの観察の積み重ねがあったことでしょうか。
たぶん、今までも大雨のあとにこうしたニュースがあったのかもしれませんが、関心を持つきっかけがないとなかなか記憶に残りませんね。
大雨というのは、こんなところにも大きな影響を与えることを初めて知りました。
それにしても「死後およそ10日ほど」を見分けられるのは、どのような観察の技術なのでしょうか。
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