水のあれこれ 149 千曲川

飯山線信濃川と千曲川の境界を過ぎると、しだいに川幅が広がりゆったりとした流れに変わりました。

 

千曲川をはじめて見たのはたしか1990年代半ばごろで、知人と松代大本営跡を見学しに長野を訪ねたときでした。

ゆったりと流れる美しい川に、「島崎藤村」「千曲川旅情」ぐらいは思いついたのですが、当時は、信濃川との関係も知らなかったのではないかと思います。

 

昨年、北陸新幹線の車窓から千曲川を見ることができた時には、上田あたりから飯山の手前まで、ずっと目で千曲川を追っていました。その1ヶ月後には、まさかそのあたり一帯が茶色の濁流にのまれてしまうとは想像もしていませんでした。

 

千曲川沿いに走る*

 

戸狩野沢温泉駅から長野行きに乗り換え、そこからはしばらく蛇行する千曲川が車窓に見えます。ゆったりとした流れが美しい川だと思いました。

蓮駅の近くからは沿線に林檎の果樹園が増え、少し色づき始めた林檎が実っていました。

昨年は収穫を前に落下した林檎をニュースで見ました。今年こそ、無事に収穫できますようにと祈りながら、水田や果樹園、そして千曲川の念願の風景を眺めたのでした。

 

豊野駅を過ぎたところから、遠くに見える北陸新幹線の高架橋を追いながら、昨年、水没した車両基地のあたりを見逃さないようにと眺めていました。

北陸新幹線が2台ほど止まっている場所が見えました。「赤沼」という地名です。

 

長野駅しなの鉄道線に乗り換え、また車窓に千曲川と沿線の風景を目で追いながらの鉄道の旅が続きます。

ここまでずっと晴天だったのが、夕方になって小雨がパラついてきました。

上田駅のあたりでは直前にけっこうな雨が降ったようで、ホームが濡れているのが見えました。

私が乗った列車と行き違うかのように、雨雲は下流方面へと過ぎていったのでもう雨は上がっていたのですが、千曲川へと流れる小さな水路が茶色の濁流になっています。

 

小諸に到着した時にはまた夕日が輝いていたのですが、これから乗り継ぐ予定だった小海線が雨のために運休になっていました。

予定を変更して軽井沢へ向かい北陸新幹線で帰京し、1日で利根川上流から信濃川・千曲川をぐるりと回る散歩が終わりました。

 

それにしても、通常の夕立ぐらいの雨でも水路や支流があれだけの濁流になることに驚きました。

Wikipedia信濃川の「長野の水害」を読むと、私が初めて千曲川を見た1990年台半ば以降も、何度か大きな水害があったようです。

 

 

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