三陸海岸がリアス式海岸だということは、小学生の頃に習った記憶があります。リアス式海岸、最近はリアス海岸というそうですが、その成り立ちについてはよく知らないままでも、地図をみると同様の地形がなんとなくわかります。
なんだか細かいことはわからないけれど、「その一言で本質がわかる」ような不思議な言葉だと記憶しています。
2018 年に久しぶりに倉敷を訪ねたあと、あちこちの川や海そして干拓地を訪ねたくなりました。
海岸線ギリギリに鉄道が通っているところもあれば、海岸線には道が描かれているだけでしばらく家もない場所もたくさんあります。真直ぐな海岸線もあれば、入江が複雑に入り組んで湖のような場所もあります。
同じ緯度でも、太平洋側と日本海側では全く海岸線が異なることころもあります。
「海に囲まれている日本」と言っても、全く違う風景ですね。
三陸海岸もいつかは見てみたいと思っていました。
便利なことにずっと鉄道が通っています。ところがいざ計画を考えると、そこまでの往復時間と、時間帯によっては2~3時間に一本の運転間隔だとなかなか途中下車は難しそうです。
一週間ぐらい時間があればいいのですけれど。
地図と路線図を眺めているうちに、海岸線と内陸部をつなぐ釜石線と山田線に乗って、三陸鉄道は2回に分けて乗ればいいのではないかと閃きました。
山田線は列車本数がさらに少ないので、1日目に山田線を利用して盛岡へ行くことにしました。
*盛駅から宮古へ*
盛駅でまず釜石駅までの切符を購入しました。13時発の三陸鉄道釜石行きまで30分ほどありますから、駅の近くで何か食べるところを探してみたのですがありませんでした。
一ノ関駅で購入しておいたおにぎりがあって良かった。
誰もいないホームに座って、大船渡の山々を眺めて食べました。
真新しい車両に乗り込みました。地元の方がけっこう乗っています。
海が見える側の席に座ることができました。
対岸のセメント工場への引き込み線が見え、すぐにトンネルに入りました。
大洞(おおほら)貝塚、長いトンネル
地図にない沢、黒い瓦、落ち着いた街、綾里(りょうり)駅手前に段々畑と水田
黒瓦の向こうに海
甫嶺(ほれい)駅、水門手前、ベンチ、川美しい!
入江と入江をトンネルがつなぎ、トンネルを抜けると地図には載っていない小さな沢の流れがあって、そこに黒瓦が美しい家がある風景でした。
駅のあたりからは新しい高い堤防で海が見えないのですが、その堤防の手前の空き地にベンチが置かれていました。
海の音に耳を澄まし、静かにものを考えたい時のためでしょうか。
三陸駅、堤防の前、工事中
街美しい、またトンネル
抜けたところは堤防が低い、水田、吉浜、眼下に海、吉浜湾で徐行し車内のアナウンス
岬の途中までしか道路がない、人を寄せ付けない海岸
小さな川、美しい!唐丹(とうに)駅の手前
唐丹駅前、堤防と水門、水がきれい
地図では川がなさそうだったのに、小さな川があり、ここにも水田があったのでした。
平田(へいた)駅のあたりで観音像が見え、13時51分、釜石駅に到着しました。
目の前にどんと製鉄所があり、ここもまた中学生ぐらいで学んだ釜石製鉄所の記憶とつながりました。
釜石駅の手前から美しい水が流れる川と並走し始めました。甲子(かつし)川だそうで、岩手県のホームページによると、1981年(昭和56年)から2023年まで、広域河川改修事業が行われているようです。
釜石駅で宮古までの切符を購入し、14時25分発の三陸鉄道に乗り、山あいへと列車が進み始めました。
両石(りょういし)駅、漁港、高台に新しい家、また山あいへ
鵜住居(うのすまい)駅、新しい家と堤防、川がきれい、復興スタジアム
大槌(おおづち)駅、川ふたつ、堤防に水門ふたつ
堤防の高さに家、紅葉
大槌町の名前もニュースでよく耳にしました。手前に小槌川があり、駅を挟んで向こう側に大槌川が流れて河口付近で合流していました。
吉里吉里、駅に熊
浪板海岸駅、道路が二重、堤防のかわり?、駅のそばに津波到達の地の石碑
海岸沿い道路、「津波到達区間」の表示、真っ青な太平洋、リアス式海岸美しい
岩手船越駅手前、堤防建設中、岩手船越駅「本州東端の駅」、鮭とクジラ、壁に到達点
織笠駅手前、川の鉄橋、線路を高くした跡
織笠駅、「鮭まつる川」
しだいにこの辺りから、駅名の表示にその地域のことが書かれていることが目に入りました。
三陸鉄道のHPの「駅紹介」に愛称が書かれていました。
山田湾、養殖筏、陸中山田駅、目の前に堤防
空き地はあるが航空写真ほどは寂しくない
山あいへ、切り通し
豊間根(とよまね)駅まで、水田、沿線で手を振るおじさん、水路沿いを散歩している人
改札のないコンパクトな駅、「まつたけの里」、豊間根川、美しい
第13地割、「あらたな希望」払川(はらいがわ)駅
津軽石川河口広い、高台の新しい家、八木沢
磯鶏(そけい)駅、「松原の思い出」
「磯鶏(そけい)」面白い地名ですね。通り過ぎるときに、かつてここには美しい松原が広がっていた説明板が見えました。
しだいに市街地に入り、15時48分、宮古駅に到着しました。
宮古駅の愛称は「リアスの港」だそうです。
真新しいおしゃれな建物が駅前にあり、市役所と保健センター、そして図書館でした。
*山田線で盛岡へ*
JR山田線に乗ってみたいと思ったのは、途中、「腹帯」という産科で働いていると気になる駅名を見つけたことと、「区界」駅といういかにも分水嶺のような場所があったことでした。
「腹帯」は「ふくたい」でも「はらおび」でもなく、はらたい駅でした。
しだいに日が傾きかけてきた16時15分、山田線に乗りました。
閉伊(へい)川、美しい! 河畔林
地割
区界高原まで62キロの表示、花原市(けばらいち)、盛岡まで72キロ
けっこう家がある
茂市、まだ宮古市
日没、しだいに薄暗い、川ゆったり蛇行、しばらく走って腹帯駅、しだいに駅間があく
水田跡、吊り橋
水田がほとんどない、岩が多くなる
水田があった、「古田」
家の明かりが見えるとホッとする
陸中川井駅、16時56分、暗い
第8地割、家の明かり
片巣、暗い中に水田
箱石、自動車入り口
川内、車内の暖房が入る
松草過ぎたら寒い、スピードが上がる、途中で徐行し警笛
区界、一人下車、ずっと圏外、GPSは大丈夫
上米内手前、街灯、水面が見えた、圏外でなくなった
米内川、街灯が多くなる、昔の旅は大変だっただろう、米内川の水面が見える
山岸駅、18時26分、帰宅の車の列が続く
夜の北上川!
山田線の車窓の風景はほとんどが暗闇になりました。
長い長い、でも充実した一日目の日程を無事に終えて、18時34分に盛岡駅に到着しました。
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