ただひたすら周防灘から有明海までの干拓地を訪ねる遠出もいよいよ最終日になりました。
4時に目が覚めると熊本はまだ真っ暗でした。
お天気はとテレビをつけると熊本や佐賀のあたりにまだ雨雲が残っていて、今回の散歩は初日を除いてはぱらついたり身の危険を感じるような雨だったり、最後まで雨雲を追いかけ雨雲とすれ違う散歩になりそうです。
ニュースでは、都内の小児科が厳しい状況になっていることを伝えていました。7月中旬でも第7波は確実に来そうな雰囲気ですから、また妊産婦さんの感染が増えることが予測される、こちらもまた嫌な雲行きです。
8時1分発の鹿児島本線鳥栖行きに乗りました。最後尾に乗ったのですが満員でした。後ろ2両は長洲行きで途中で切り離されることに気づき、途中で慌てて前の車両に移ったところガラガラでゆったりと座って車窓を眺められました。
熊本駅を出るとじきに山あいの水田地帯に入り、田んぼの除草作業をしている方々がいました。
水田には数センチぐらいに伸びた稲が並んでいます。畦道に黄色のマツヨイグサが咲き、蝉が鳴いているのが窓越しに聞こえました。少し郊外に出ただけで整然と広がる美しい日本の風景ですね。
西側の山の方にはまた黒い雨雲が接近しているのが見えました。
*坪井川と菊池川の分水嶺*
植木駅を過ぎると田原坂駅の間で鹿児島本線が北西から北へと向きを変えるのですが、高低差もなさそうな水田地帯に見えたそのあたりは地図を見直すと分水嶺だったようです。
あの分水界泣き別れや邑知潟の分水嶺、そして水分かれのような、言われてみないと気づかない地形です。
井芹川は熊本駅の西側を山沿いに流れながら坪井川と合流して有明海へと流れ込むのですが、河口では白川に挟まれた場所に干拓地があり、もし土砂降りの雨でなければ訪ねてみようと思っていました。
井芹川の上流の細い流れの数百メートル北側からやはり細い水色の線が北へと描かれていて、しだいに太く木葉(このは)川になるようです。
蛇行しながら流れる木葉川の上を鹿児島本線を何度か越えるので、車窓からその美しい流れが見えました。
鹿児島本線と九州新幹線が交差するところで木葉川は新幹線の高架橋の方へ流れが変わり、新玉名駅の手前で菊池川に合流するようです。
川と離れてしばらくすると車窓から美しい集落と水田が見えて「南坂門田」とメモをしたのですが、地図を見直してもどこだか見つけられません。何を見てメモした地名だったのか。
記録があっても記憶をたどるのは難しいですね。
その美しい集落を通過してしばらくすると菊池川の橋梁を渡りましたが、途中下車したくなるような美しい石積みの堤防が見えました。
「いつかまた」の計画がまた増えてしまいました。
*大牟田駅へ*
途中からいつの間にか満員になっていた前方車両でしたが、玉名駅でたくさん下車していきました。
どんな街で、どんな仕事をされているのでしょう。
ここから大野下まで台地のような場所を通過し、海側には自然堤防のような場所に家々があるのが見えました。それに挟まれた場所に水田地帯が広がっています。
鹿児島駅を出る頃に西側の山に見えていた雨雲はどこかへ行って、快晴になりました。
残念ながら山頂付近には雲がかかっていましたが、雲仙の麓が見えました。美しい姿ですね。
8時39分に長洲駅に到着し、後方車両の切り離しと貨物列車の通過待ちで8分ほど停車しましたが、雲仙を眺めることができました。
発車すると海岸が近づき、堤防の間に有明海が見えました。
南荒尾駅の近くに「荒尾干潟」の表示が見えました。
荒尾駅を過ぎると干拓地のような場所が広がり、昔は島だったと思われる小高い山がみえ、大牟田駅に到着しました。
切符は小倉までのJRの連続切符ですが、大牟田駅で下車してここからは西鉄線に乗り換える予定です。
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