水のあれこれ 241  金目川

上平塚と山下のあたりで数本の川が合流して花水木川になりますが、そこから上流の本流が金目川です。

 

本流ではなく河内川を歩いてみようと計画したのは、山側の住宅地と東側の水田地帯の境になっているように地図では見えたからです。

 

そして「公所(ぐぞ)北」という交差点の少し先で、西からの流れが直角に曲がった場所があります。

そこから1kmぐらい北には金目川が流れているのですが、その間の地名が「広川」で、山側には御領ヶ台貝塚があるようです。

少し高台のような場所が想像できるのですが、そのあたりを見てみたいと思いました。

 

新幹線の高架橋のそばのベンチで一休みしたあとは、右手は水田地帯が続く道を歩きました。

時々、遠くからかすかに「ヒューッ」という音が聞こえたと振り向くと、新幹線が通過しています。

 

山側の幹線道路の方が一段高くなっている住宅地の間を、河内川が用水路のような雰囲気で流れています。

交差点をすぎ、地図の通りに河内川が直角に曲がり山の方から流れてくる場所がありました。山側は急に川の勾配が大きくなって、ちょっとした滝のように感じました。

 

ここからは上り坂になり、東側に金目川の堤防らしき場所が水田の中に見えました。

大磯から歩いてきた疲れもあって、貝塚に立ち寄る計画はやめました。

もう少しで金目川です。そこのバス停から秦野行きのバスがあるので、それに乗ることにしました。

 

建設されたばかりの大きな橋を渡り、片岡バス停につきました。

ここからみる金目川は夕日に水面が輝き、それはそれは美しい風景でした。山の方には雨雲が見え、風が少し強くなってきています。

先ほどの貝塚のある山が金目川右岸にぐいとでっぱり、蛇行しています。「片岡」はそこからきた地名でしょうか。

 

バスに乗ると、金目川の由来となった金目村の中心部の金目駅バス停を通過しました。

「金目駅」で検索すると、またたくさんの先人の記録を読むことができます。

 

蛇行しながら流れる金目川のそばの風景はなんとも落ち着いて美しく、東名高速道路をくぐり、少し高度を上げながら秦野市に到着しました。

ぜひぜひ、川のそばを歩いてみたいものです。

 

*「あばれ川、と言われていた」*

 

金目川は、東名高速道路で渡るときに目にして印象にあった川です。

谷津の細長い場所に水田と水路がある美しい風景が、小学生のころから記憶にあります。

 

金目川は、水源から海までが21キロメートルと非常に短い河川であることから、頻繁に渇水に悩まされてきたと同時に、台風などによる治水対策が難しい流域といわれ、特に、中流部は周囲の田畑より河床が高く、曲がりくねっており、昔は大雨により、洪水がよくおこる「あばれ川」とも言われていた。

 

過去の災害

・昭和54年10月19日の台風20号金目川水系における降雨で最大で一時間に40mmの雨に見舞われたことにより、上流部では堤防が決壊。畑作・水田に被害を出した。

次に収穫できたのは何年後だったのでしょうか。

 

あっという間に新幹線が通過するあの水田地帯に流れる川の歴史を、歩くことで少し理解することができました。

 

ところで、花水木川が金目川になるあたりで、二級河川金目川水系の渋田川と金目川の真ん中にもう一つ川があるのですが、名前が地図には載っていません。

排水路のような流れなのでしょうか。あの山はなんというのだろうというきっかけで計画した散歩でしたが、「その川はなんという川なのだろう」どんな歴史があったのだろう、とまた知らないことが増えました。

 

 

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