散歩をする 412 霞ヶ浦沿岸から江戸崎へ

ぼーっと車窓の風景を見る散歩から、最近は真剣に考えることが増えてあっという間に東京駅に到着しました。

連休のためか構内は大きな荷物を持った人が多く、3年前までのような混雑した日常が戻った感じです。

 

7時32分発のJR上野東京ライン常磐線快速土浦行きに乗りました。グリーン車の2階席の窓側席です。

この路線もだいぶランドマークを記憶したので、ぼーっと眺めているようでも「そろそろ荒川」とか察知できるようになりました。

 

 

列車は次々と荒川、江戸川、そして利根川の支流などを横断して霞ヶ浦が見えてきました。

2017年に地図と測量の科学館を訪ねたあと霞ヶ浦に行ったのですが、この時には霞ヶ浦総合公園前までバスに乗り、そこから沿岸沿いに土浦駅まで歩いて戻りました。

なんだかだいぶ歩いたので霞ヶ浦を制覇したような気になったのですが、地図で見ればほんの一部分です。霞ヶ浦沿岸をぐるりと歩く方法はないか、時々地図を眺めては探していました。

 

 

土浦駅から江戸崎行きのバスに乗る*

 

 

懐かしい土浦駅に8時46分に到着し、9時10分の江戸崎行きのバスに乗りました。

後方のタイヤの上あたりの二人がけの座席が向かい合わせになった、初めて見るタイプのバスでした。

 

霞ヶ浦に流れ込む桜川を越えると、沿岸に水田地帯がひらけてところどころ蓮田があります。夏にまた訪ねてみたいものだと思っているうちに、土浦駐屯地の敷地になり予科練平和記念館が見えました。そこからは霞ヶ浦のすぐそばをバスは走り、蓮田や水田地帯や黒い瓦屋根の家などが続き、対岸には筑波山も見えました。

穏やかな水面が大きな鏡のようです。こういう場所の水田地帯には、どんな暮らしや歴史があるのだろうと考えているうちに、バスは内陸部へと曲がり、沿線に大きな農家の建物が増えてきました。

結構起伏があり、バスは上ったり下ったり、曲がったりしながら霞ヶ浦から離れて行きました。

 

ポツポツと降り始めた雨が本降りになっています。出発前に確認した予報では曇りか晴れだったのですけれど、これは傘をさしながらの散歩になりそうです。

 

ぐるぐると集落や学校を回りながら下り坂になり「大谷」に入ると、「美浦トレセン」という文字が目に入りました。

なんの施設だろうと考えていたらふと馬のプールだと閃き、急にこの場所に親近感を覚えました。でも家に帰って確認したらあれは福島の施設でしたね。

この美浦(みほ)トレセンも競走馬用の施設で、その歴史を読むとこんな時代背景があったのかと初めて知ることばかりでした。でもどこかで私もこの美浦トレセンの名前が記憶に残っていたのですね。

 

小雨の中ぐるぐるとバスはまわり、川に沿って水田地帯がひらけてきましたがなんだか不思議な場所に感じました。

地図で確認するとそれこそ馬の蹄鉄のような楕円形をした水田地帯で、余郷入という地名のようです。おそらく昔は霞ヶ浦が深く入り込んだ場所で、少しずつ沖へと干拓して水田を広げたのだろうと想像したのですが、どんな歴史があるのでしょうか。

 

姥神(うばがみ)という交差点で県道49号線へ曲がるとゴルフ場があり、この辺りからは霞ヶ浦よりもだいぶ高い場所へと上って行きました。

左手が一段低い場所になり水田地帯が見え、しばらくすると街の中に入って終点江戸崎のバス停に9時55分に到着しました。

 

霞ヶ浦右岸の風景が次々と変化しながら現れて、わずか45分でしたが充実したバスの車窓の風景の散歩でした。

 

 

バス停の前に小さな建物があって、中が畳敷になっています。そこがバスの待合所でした。

江戸崎町の歴史もわずかしかわからないのですが、このバス停の雰囲気だけでも訪ねてみてよかったと思いました。

 

3時間後にここから出発する稲敷市立歴史民族資料館前を通るバスに乗る予定でしたが、計画を変更して江戸崎の近くにある気になっていた場所を歩けるだけ歩いてみて途中のバス停から乗ることにしました。

幸いなことに雨もすっかりやみました。

 

 

 

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