散歩をする 365 太右エ門バス停から信濃川沿いに矢代田駅まで

それまでパラパラだった雨がしだいに本降りになる中、鳥屋野潟から太右エ門新田地区を歩き、信濃川堤防沿いのバス停まで来ました。

気温は22度ですが、6月中旬ですから蒸し暑さもひとしおです。

 

ここから念願の信濃川沿いの水田地帯を見る計画です。

ちょうど3年前の同じ季節に大河津分水路を訪ねて、寺泊から長岡までバスに乗り、その車窓から美しい広大な水田地帯と信濃川が見えました。

 

その頃はまだ頭の中に信濃川ははっきりと描かれていなくて、特にその大河津分水路から下流が急に細い信濃川になり、燕三条の手前で中ノ口川信濃川に分かれて、もう一度合流して新潟市内に河口として日本海に流れているあたりがどうも理解を超えるのでした。

どうしても、大河津分水路の方が信濃川の本流に見えてしまうのです。

信濃川はなぜこんな流れなのか、地図を見れば見るほどわからなくなり、いつかはこの目でそのあたりを歩いてみたいといくつか計画がありました。

 

そのうちの一つが、信濃川下流の右岸側をバスで見る今回の計画です。

 

*太右エ門新田バス停から小須戸神社までバスで行く*

 

9時39分、バスが定刻通りに到着しました。乗客は私一人です。右手は信濃川の土手しか見えなかったのですが、途中から堤防の上の道路を走りました。右手には信濃川、左手には水田と濃い灰色の瓦屋根の集落が点在する美しい風景です。

途中で、一人乗客が乗りました。

 

中ノ口川がふたたび信濃川に合流する川合が見えました。その先の曽川バス停のそばの堤防沿いに、何か記念碑がありました。

このあたりからは河川敷も広く、堤防内に水田や畑が作られています。これも遊水池の一つでしょうか。

堤防上をバスが走るので、両側が水田地帯の風景になりました。信濃川本流は少し遠いところに見えます。

 

「舞潟」という地名のあたりでは、信濃川はゆったりと蛇行して流れています。遠くの山のあたりまで風景を遮るものがない水田地帯です。

新しい橋が信濃川に架かるのでしょうか。橋脚部分がポツンと川の中にできていました。

この日の信濃川は穏やかな流れでしたが、雪国の川の水量にも負けない橋を建設する技術とはどんな世界なのでしょうか。

 

堤防沿いに住宅が増えた地域は「酒屋町」で、その先に小阿賀野川信濃川に合流していました。まさかここで再び阿賀野川の名前を目にするとは、本当に新潟平野は複雑ですね。

 

三枚潟バス停でもう一人が下車して、ふたたび私一人になりました。

「三枚潟」、どんな由来でどんな歴史や生活があるのだろうと、その下車した人を呼び止めたくなるような場所ですね。電信柱の住所は「覚路津(かくろつ)」とあります。

戻る道もわからなくなるような泥沼を想像してしまいました。

 

遠くに八海山でしょうか、見えてきました。蕨曽根、子成場(こなしば)、浦興野(うらごうや)と初めて目にする地名が続き、山が少し近くなりました。

熊のことをすっかり忘れていましたが、これから歩く場所は大丈夫でしょうか。

そんなことを考えていると住宅地に入り、落ち着いた古い街並みの真ん中に小須谷戸神社前バス停があり、29分のバスの散歩が終わりました。

 

 

*小須戸からJR矢代田駅まで歩く*

 

小須戸の中心部には古い雁木の残る家もあり、宿場町のような趣です。

Wikipedia小須戸によると、17世紀にはすでに町として発展していたとあります。

 

消雪パイプがある茶色い道を歩いて、小須戸神社に向かいました。地図では碁盤の目のような道の中に神社だけ不揃いな道に囲まれていたので、少し小高いところだろうと想像していましたが、平らな場所でした。

Wikipediaの「『寄り洲』または川を越すところという意味」を表すような地形ですね。

 

街の中心部を抜けて県道41号線沿いに、まっすぐ矢代田駅まで水田地帯を歩きます。

地図ではここから1.5kmぐらいに見えるのですがいつもこれで失敗しますから、11時35分の信越本線長岡行きに間に合うように早足で歩きました。

 

途中で新津郷土地改良区の「水路にゴミを捨てないで」という表示のある用水路を越えると、じきに住宅がなくなり、水田地帯です。

雨は止み日が差し始めたので暑さも倍増ですが、県道沿いに地域の方が手入れをされているらしい花や街路樹が続いています。その木陰と花に助けられ、そして稲の香りに歩く元気が出ました。

 

この用水路はどこから取水されたものだろうと帰宅してから地図を見ると、JR田上駅の北西1.5kmぐらいの信濃川右岸あたりでしょうか。地名は「水田」です。

 

水田地帯の中のまっすぐに続く道の先が新しい住宅地になり、真新しい矢代田駅がありました。駅前には水田を見渡せる東屋のある公園がありました。

列車に乗るまで30分ほどあり、その東家で水田を眺めながらおにぎりを食べて休憩しました。

 

ずいぶんと色々な風景を見た気分ですが、まだまだ信濃川流域のほんの一部なのでした。

 

 

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