ほんの数年ほど前は、まだ私にとっては常磐線というのはすごく遠いところを走るように感じる、なじみのない路線でした。小田急線から地下鉄千代田線が常磐線に乗り入れているので「綾瀬」行きは目にしていたのですが、どこをどう通るのか漠然としか思い浮かばない路線でした。
身近になったのが、地図と測量の科学館へ行ったあと霞ヶ浦までバスで行き、帰りに土浦から常磐線に乗ったことがきっかけでした。
今までなんども耳ににしていた牛久、取手、我孫子、柏といった地名を通過して、ああこれが常磐線だったのかとつながりました。
それでも常磐線はどことどこを結んでいるのだろう、そんな簡単なことさえ私の頭の地図ではまだ描かれていなくて、地図を眺めていると途中、途切れていましたが仙台駅まででした。
途切れている意味はすぐにわかりました。
あの日以来、ずっと意識している地域でしたから。
ただあまりに広範囲すぎたのと、私自身にとってもまだまだ思い出したくない記憶だったのでしょう、自分の頭の中に正確な地図や年表を描けていなかったのでした。
富岡から浪江までの代行バス区間も含めて常磐線全線に乗ってみたいという思いが、2年ほど前からありました。
調べているうちに2019年度末には全線復旧になるようですから、そのあとでという選択もありましたが、夏に気仙沼から一ノ関、そして北上を回ったことから、今年中にこの路線にも乗ってみようと計画したのでした。
「ただ風景を見たい」という場所ではない区間なので葛藤はありましたが、柳津から気仙沼までBRTに乗った時のように生活の場を通過できる代行バスの区間が今年度で終わることから、やはり行ってみようと背中を押されたのでした。
今日のテーマも「散歩をする」に含めるのはどうなのだろうとためらいがありましたが、 「散歩をする」のまとめに書いたように「防災対策」の意味でこれまでも災害の起きた場所を歩いてきました。
今回もまた、自分の中の災害史を正確な年表にすることを目的にした散歩になりそうです。
「散歩をする」まとめはこちら。