水のあれこれ 331 丸亀の先代池

ホテルの窓の向こうに大きな先代池が見え、夕陽が水面に映っていました。

よく見るとため池の水に向かって打ちっぱなしのゴルフ練習場になっているようです。

宵闇に包まれて瀬戸内海もすっかり見えなくなった頃、先代池とその向こうのスタジアムはむしろ明るく照らされていました。仕事帰りの人が結構利用しているのでしょうか。

 

最近では、ため池の水面を太陽光発電に利用している場所も見かけるようになりましたが、こんな使い方もあるのですね。

 

*先代池の歴史*

 

頼みの綱のWikipediaには先代池の説明がなく、唯一、香川県の資料がありました。

 

 先代池は丸亀市金倉町と新田町にまたがり、南側の渚部には丸亀総合スポーツセンターが整備されています。築造年代は不明ですが、1700年代の資料に千田池として記録が残るとともに、その起源は四条川と呼ばれる古代の河道跡を利用して築造されたと推定されています。

 現在の貯水量(326千㎥)となったのは明治初年(1868年)のことと石碑に記されていますが、平野部に位置しており降雨だけでは灌漑用水を自給できないため、満濃池からの配水を受けて受益地域を潤しています。数ある満濃池の子池の中でも末端に位置する池であることから、水が十分に溜まらない年もあったようですが、昭和34年(1959年)の満濃池の嵩上工事の完成、昭和50年(1975年)の香川用水の通水開始により安定した水の確保ができるようになりました。

 近年の主な改修歴をみますと、昭和45〜46年(1970〜1971年)に団体営老朽のため池整備事業で堤防全体と樋管を整備するとともに、昭和47年(1972年)のスポーツセンターの建設整備に伴い、池の約3分の1が埋め立てられるとともに貯水量減分は池内の浚渫により確保され、現在の姿となっています。

 平成9年(1997年)にはスポーツセンターに隣接して香川県丸亀競技場が、平成27年(2015年)には先代池の西側に丸亀市民球場が完成するなど、時代の遷り変わりとともに先代池とその周辺の環境も大きく変化し、市民などの競いの場・憩いの場として活用されています。

 

 

諸元

貯水量  326千㎥

満水面積 16.6ha

受益面積  90ha

堤 高   6.3m

堤 長    928m

 

一つ一つのため池の歴史がまとめられているなんて、さすがため池の歴史がある県ですね。

 

地図を拡大してみても、丸亀市内に広がる無数のため池の間には細い水路がところどころあるくらいなのですが、地下に導水管があるのでしょうか、満濃池そして香川用水とつながり合っているようです。

 

昭和42年に縮小される以前の大きな先代池を見てみたかったなあと思うとともに、昭和30年代初頭までは今のように水が満たされている風景ではなかったかもしれないですね。

 

散歩の2日目の午前中は、地図の中のいくつかのため池をつないで歩く予定です。

猛暑日の予報ですから、ちょっと不安はありますけれどね。

 

 

*おまけ*

 

丸亀市新田町」は「にったまち」ではなく、「しんでんちょう」と読むようです。難しいですね。

 

 

 

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