散歩をする 480 ただひたすら川と水路を歩く〜豊川と牟呂用水・豊川用水〜

昨年9月初旬に香川から岡山、兵庫、大阪そして奈良へとただひたすら用水路とため池を見に歩いたあと、記録的な猛暑と全国各地からの熊出没のニュースに遠出はできずにいました。

 

例年なら台風などの被害が多い季節ですが、総務省消防庁の「令和5年災害情報一覧」で確認しても9月8日の台風13号のみでそのまま真夏のような暑さから突然冬になった感じでした。

天候的には散歩日和でしたが、熊を避けるためにどこを歩こうかと悩むうちに時間が過ぎて行きました。

 

そうだ、7月に実行しようと思っていたあの場所に行こうと決まりました。

 

*豊川左岸の霞堤内と豊川放水路右岸の水害*

 

初めて豊川(とよがわ)を歩いたのは2019年3月で、新幹線の車窓から見える豊川(とよがわ)放水路の分水堰をたずね豊川(とよかわ)稲荷まで歩いたのでした。

この頃、豊橋市周辺の田畑を潤す牟呂用水と豊川(とよがわ)用水を知りました。

牟呂用水は現在でもずっと水路が続いているのでわかりやすいのですが、豊川用水はトンネル部分が多いので流れを追うのに時間がかかりました。

 

牟呂用水と豊川用水を歩く計画がいくつかできて、そろそろ実行してみようと思っていました。

 

ところが2023年6月2日、「豊橋」「豊川放水路」「霞堤」「浸水」とニュースが伝えました。

愛知・豊橋市 浸水世帯数など被害状況把握できず

 

愛知県豊橋市の災害対策本部によりますと、大雨による被害の情報が寄せられているのは、主に、牛川町、賀茂町、それに下条町のいずれも豊川沿いの低い土地だということです。その地域には、合わせて2010世帯、5055人が住んでいて、市役所には住民から「浸水した場所に取り残されている」とか、「外に出られないので助けに来てほしい」という連絡があるということです。

しかし、周辺の道路が冠水していて近づけず、どのくらいの世帯で浸水しているなど状況が把握できていないということです。

豊橋市では、3日の明け方から状況の確認を行うことにしています。

NHK 東海NEWS WEB、2023年6月2日21時43分)

 

いつも新幹線の車窓から見えていた豊川と豊川放水路の河口付近の広々とした美しい田園風景が茶色に水浸しになった映像として、そしてこれから訪ねようと思っていた地名が次々と伝えられてきました。

 

あの日以来、豊橋周辺のニュースを追いながら、4か月後に訪ねてみることにしました。

 

 

旱魃と水害と。そして戦後の用水路建設と*

 

 

愛知県はまるで蟹の手のように二つの半島がありますが、「死ぬまでに真水を飲みたい」という知多半島とその周辺の島々の人の願いが叶ったのは木曽川からの愛知用水が完成したからだったのですが、もう一つの渥美半島もまた最初は荒唐無稽のように思われた豊川用水が完成することで旱魃から解放され広大な農地へと発展することができたことを知りました。

 

豊川周辺の水害と、半島の旱魃

その二つを解決するための歴史を少し歩くことができたらと、昨年10月中旬に出かけてみました。

 

しばらくこの散歩の記録が続きます。

 

 

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