水のあれこれ 19 <風浪とうねり>

前回の記事で「高波」の経験を書きましたが、そういえば「高波」ってどれくらいの波のことを指すのだろうと気になり検索してみましたが、でてくるのは「高波(駆逐艦)」「清酒 高波」で、定義らしいものは見つかりませんでした。


気象庁ホームページの「知識・解説」を探してみまてもみつかりませんでしたが、その中の「風浪とうねり」に、高波ができていく様子が説明されていました。


海上で風が吹くと、海には波が立ち始め、波は風下に向かって進んでいきます。波が進む速さ(以下、波速)より風速が大きければ、波は風に押されて発達を続けます。このように、海上で吹いている風によって生じる波を"風浪"と呼びます。風浪は発達過程の波に多く、個々の波の形状は不規則で尖っており、強風下ではしばしば白波が立ちます。発達した波ほど波の高さ(以下、波高)が大きく、周期と波長も長くなり、波速も大きくなります。風浪の発達は理論上、波速が風速に近づくまで続きますが、強い風の場合は先に波が砕けて発達が止まります。


そうそう、ベンチに座って波をぼっと眺めていたときに、「なぜ波ができるのだろう」「なぜ海岸線に向かって波が寄せてくるのだろう」と、まるで小学生か中学生の宿題のようなことを考えていました。


また、サンゴ礁と外洋の境になぜ大きな白波が立つのだろうということも気になっていました。

一方、風浪が風の吹かない領域まで進んだり、海上の風が弱まったり、風向きが急速に変化するなどして風による発達がなくなったあとに残る波を"うねり"と呼びます。うねりは減衰しながら伝播する波で、同じ波高の風浪と比較するとその形状は規則的で丸みを帯び、波の峰も横に長く連なっているので、ゆったりと穏やかに見えることもあります。しかし、うねりは風浪よりも波長や周期が長いために、水深の浅い海岸(防波堤、磯、浜辺)ふきんでは海底の影響(浅水変形)を受けて波が高くなりやすいという性質を持っています。そのため、沖合から来たうねりが海岸付近で急激に高波になることがあり、波にさらわれる事故も起こりやすいので注意が必要。


なるほど、うねりと高波の関係というのはそういうことだったのですね。
日常で当たり前のようなことも、案外、その詳細を知らないままのことが多いものですね。


ところで、その「高波」は何メートル以上とか定義があるかは見つからなかったのですが、台風について書かれています。

非常に強い風が渦状に吹き込む台風の中心付近では、様々な方向から風浪とうねりが混在して、合成波高が10メートルを越えることもめずらしくありません。


10メートルですか。
私が死を覚悟したあの高波が数メートルですから、考えただけでも気が遠くなりそうです。


台風が近づくと「海岸や河口付近に近づかないように」という呼びかけを無視して出かける人たちがいますが、もしかしたらあの波の高さというのは死の恐怖を越えた狂気を呼び起こさせる何かがあるのかもしれませんね。






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