母子同室という言葉を問い直す 4 <母子同室とともにある母乳代替品のマーケティングに関する国際基準>

母子同室という言葉はいつ頃から、どのように広がったのかと考えていたら、こんさん、きいろい月さん、suzanさんからコメントをいただきました。ありがとうございます。


こんさんからは、驚くような状況を教えていただきました。

また、関東から引っ越して分かったのですが、私の地元は驚きべき母乳推進の雰囲気です。どの病院のサイトを調べても例外は許されないような厳格さを感じます。

地元の友人達は母乳推進でない隣県で出産するか、粉ミルクとポットを当然のように隠れて持参するか、夫や親に強力してもらい入院中の赤ちゃんの面倒をみてもらうなど、私からは想像もしなかった自衛策を講じています。これが日本のスタンダードになっていくのだろうかと暗い気持ちになります。


私には全国の分娩施設でどのような対応が行われているのか、地域によって何か考え方に差があるのかなど全体像はわかりませんが、ここ10年程、病院・診療所や助産所の定点観測をしていると「母乳育児をすすめています」と書かれているホームページが増えた印象はあります。


でも、「粉ミルクとポットを当然のように隠れて持参」したり、母乳推進の雰囲気を避けて隣県に産院を求めていらっしゃるお母さん方が出て来たことは、驚きというよりはむしろ「不安が的中した」という感じでしょうか。


以前、703さんからいただいたコメントを思い出しました。

二人目の病院は母乳以外与えられず、ミルクをあげてと頼んだら誓約書みたいなものを書かされました。

日本の病院で?と驚いたら、次のコメントで海外の話とわかりました。

誓約書ですが、海外の病院だからというのもあると思います(現在東南アジア在住です)。内容をちゃんと読みたかったのに、「ここにサインすればいいから」とだけ言われ、読む暇も与えられませんでした。


産院でミルクを補足するのにも誓約書が必要になった背景には、「母乳代替品のマーケティングに関する国際基準があるのでしょう。
日本政府が当時、批准しなかったのは良かったのではないかと改めて思います。


もし批准していたら、今頃は国際的な完全母乳戦略が押し進められて、処方箋がないとミルクを買えないとか「すべての乳児には母乳で育てられる権利がある」という風潮に日本の社会も変化していたことでしょう。


こんさんに教えていただいた状況が「行き過ぎ」と感じなくなる程、社会というのは動かされてしまいやすいものですから。


実験的ともいえる母子同室の背景には、あの国際基準があるのではないかと思います。


それにしても、お母さんや赤ちゃん、御家族に、今の母乳推進の雰囲気が無用な困難をあたえているのではないかという、全国の現状調査を早急にする必要があるのではないでしょうか。




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