最近、電車に「東京の朝を変えるぜよ。」という広告を見かけるようになって、ちょっと朝からイラッとしています。
「時差Biz」という言葉も初めて耳にしたのですが、東京都の「今年もやります。夏の時差Biz!」を読むと、どうやら昨年から始めたらしいです。
まあ、毎年のようにサマータイムを導入したい人たちがいろいろと発案されるのですが、自由に勤務時間を調整できない職種で満員電車で通勤する身としては、夏だけ生活スタイルを変えるのはやめてほしいですね。
イラッとさせられる理由は、まず、「なんで『ぜよ』なの!」という他愛もないところ。
そしてその現実感のない中身。
一人一人が出社時間を調整して快適な毎日を送る。
「時差Biz」時代の到来です。
「空いている電車は快適で仕事がはかどる! 」
「時差Bizに参加したら、早く帰れて家族と過ごせた!」
「夕方の時間を有効活用して、友人と会ったり資格取得の勉強に使えた!」
「子どもの保育園のお迎えに早く行けて、とても良かった!」
働き方にも、暮らし方にも、新たな改革を。
さあ、私たちが新しい日常をつくりましょう!
「空いている電車」って何時台のことだろう。
私が6時半に利用している路線は8分置きですが、学生と通勤者でほぼ乗車率250%前後です。さらに250%以上の電車に乗り換えて8時ごろに到着。
まだ申し送りには余裕があるくらいに家を出ないと、万が一、雨やら事故で遅延した時に定刻通りの仕事ができなくなる可能性があるので、早めに出ています。
どこかで事故があると、その路線から迂回してくる通勤者のためにどんどんと乗車率は上がり、時に2〜3台を見送らなければ乗れない場所もあります。
母親の面会に行く時に利用する7時台から8時台には2分ごとの運行になりますが、どの列車も250%以上です。
この時間帯の人たちに「時差Biz」を呼びかけているようですが、その人たちが6時台に流れ込んでくるとなると、鉄道会社は6時台の本数を増やし、ホームの安全保安要員の方も増やさなければなければならないことでしょう。
早起きして出勤している人のどれくらいが、夕方のんびりできるのでしょうか?
私の場合、6時半に家を出たからといって、日勤で時間通りに終業できることはまずありません。
早くて8時とか9時に帰宅です。
早く出勤したら、早く帰宅できる仕事は全体のどれくらいでしょう。
交通インフラに対して人口が飽和状態なのと、長い通勤時間や労働時間が長いことによる疲労が現実問題なのではないかと思います。
でも、一気に世の中が変わるわけではないので、なんとか折り合いをつけながら生きていくしかないわけで。
そこに「東京の朝を、変えるぜよ。」なんて言われても・・・。
そしてよく読むと、「昨年度より、快適通勤ムーブメント」と「時差Bizは東京2020大会を見据えて積極的に取り組んでいきます」とありました。
何、それ。
東京に住んで半世紀。
長い目で見ると、行政の皆さんに本当に細やかに生活を守ってもらっていると思います。
だからこそ、キャッチコピーで煙に巻くような運動はやめて、今何ができて何が無理なのか。そして将来的にはどんなことが可能になるのか、短期・中期・長期の視点を持った現実的な政策を頑張って欲しいですね。
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