水のあれこれ 81 <溜池と用水路>

私の人生というと大げさですが、ほとんど溜池とは無縁できました。
小学校の授業か何かで、「香川県など瀬戸内海沿岸は雨が少ないので溜池が多い」と習った記憶があります。
ただ、岡山県の祖父の家の周囲では見たことがないなと漠然と違いを感じましたが、その違いをそれ以上突き詰めることもないままでした。


高校生まで過ごした地域も用水路は張り巡らされていましたが、溜池は身近にはありませんでした。
「溜池」という言葉がちょっと気になり出したのが、1997年に溜池山王駅ができたことでした。
あのおしゃれな赤坂付近になんでまた「溜池」なのか、釈然としないままその疑問をほったらかしていたのですが、たしか2000年代半ばに放送したブラタモリでその疑問が解けたのでした。


その後、小合溜という大きな溜池があったことも知り、散歩をしていると用水路が張り巡らされているような関東平野にも結構、溜池があることを実感するようになりました。


倉敷市の溜池と用水路>


先日、「同じ倉敷市でも、祖父の暮らしていた干拓部と高梁川上流や支流の地域では地形が異なる」ことに驚いたことを書きましたが、パソコンの地図をびよんと拡大してあちこちを見ているうちに、この溜池の分布の違いがはっきりしていることに気づきました。


倉敷市南部の干拓地では用水路の青い線がまっすぐ張り巡らされていて、その周辺の地域には溜池がぼちぼちとあるように見えます。
ところが、先日大きな被害に見舞われた小田川周辺地域では、川の周辺地域では用水路がまっすぐ描かれている場所もあるのですが、それ以外の地域には「無数の」と書きたくなるほどの大小の溜池が散在しています。


同じ倉敷市内であっても、祖父の地域とは違う農業の形態があったのでしょうね。


Wikipediaため池を読むと、なんだかわかった気になっていた「溜池」のことを全然知らなかったと改めて思いました。


ため池は谷池と皿池という2種類に大きく分けることができる。両者は場所や築造方法が違うほか、水質や生息する動植物に違いが現れてくる。


この一行だけでも、さまざまな分野の方々の観察と専門知識の積み重ねであることに気が遠くなりそうです。


今度からは用水路だけでなく、溜池も散歩の時に気をつけて見てみようと思います。


それにしても、これだけの溜池の存在を把握して掲載しているMacの地図もすごいですね。




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