散歩をする 105 芝公園から新橋へ

母へお土産を買おうと思った岡山のアンテナショップは新橋駅の近くにあります。

電車で新橋へ行けば便利ではあるのですが、せっかくなのでどこからか歩いて新橋へ向かおうと地図を眺めました。

 

青山上水があった場所から芝給水所まで歩いたり、日本経緯度原点を訪ねて神谷町あたりを歩きましたが、そういえばまだ芝公園に行ったことがないと目にとまりました。

増上寺は、1980年代に一度だけ行ったことがあります。私の記憶では東京タワーも増上寺も平地だったのに、実際には東京タワーの周辺は想像以上の高低差があり、記憶というのはなんと頼りないものかと実感しました。

となると、隣接する芝公園はどんな地形だろう。赤羽橋駅からのスタートに決まりました。

 

12月初旬でしたから、地下鉄から地上に出てまず目に入ったのが、抜けるような青空に銀杏の葉の黄色でした。

交差点の向こうには、平面の地図では想像もできなかった小高い丘がありました。

どれくらいの高さなのでしょう。けっこう脚が痛くなる坂道をのぼると芝丸山古墳があり、頂上には伊能忠敬測地遺功表があります。

目の前に迫るように東京タワーが見えて、そんな場所をしばし一人占めしたのでした。

脚がつりそうになりながら下ると公園の平地部分が広がっていて、土曜の午後、たくさんの人がのんびりと散策をしていました。

 

災害用のマンホールトイレや貯水槽が設置されていて、災害時にはこの周辺で生活する人を守る場所でもあるようです。

 

「東京の公園の歴史を歩く」には、何年のものかわからないのですが、戦前の増上寺の鬱蒼とした境内林を人力車や自動車が行き交う写真がありました。

 

 

増上寺から汐留まで歩き、まだ行ったことがなかった旧新橋停車場をみてから新橋へ向かいました。

新橋も汐留も、ここ20年ほどの間に何度も来ているのに、私の記憶はだだっ広い国鉄跡地と再開発中のイメージのままで、時々、その変化の早さにめまいがしそうになる場所です。

そんなことを思い出していたら、汐留の商業施設内で道に迷ってしまいました。

 

岡山のアンテナショップは、大勢の人が買い物に来ていました。

 

小一時間ほど歩いただけだったのに、一世紀ぐらいを行き来したような気分になった散歩になりました。

 

 

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