トイレについてのあれこれ  8 和式トイレの行く末

以前、洋式トイレに変わるといいなと書きました。

最近、あちこちの鉄道の駅のトイレを利用する機会が増えたのですが、ほんとうにどこもとても清潔になっていてありがたいと思います。

ただ、都市部を離れるにしたがって和式トイレ率があがる印象です。あくまでも印象で、正確な数字はわかりませんが。

 

中には半分以上が和式トイレというところもあって、これは好みの問題なのか、それとも付け替え費用の問題なのだろうかとちょっと気になっています。

都内でも乗降客が少なそうな駅や少し郊外の駅になると、和式トイレが存在感を増してくるので、たぶん後者の理由でしょうか。

 

日本レストルーム工業会のトイレの年表を見ると、すでに1980年代には「和風便器の出荷構成比が20%を下回る」とあり、さらに2000年代前半には出荷構成比が5%以下になっているそうですから、今使用中の和式トイレが壊れたら洋式トイレに取って代わられるのかもしれません。

 

あと20年もすると、「洋式トイレ」という言葉もなくなるかもしれないですね。

 

*洋式とか和式とも違う使い方*

 

洋式トイレというのは、、不特定多数の人がお尻というか大腿部をじかに便座につけて座るので、抵抗がある人もまだまだいるのかもしれません。

そういえば、1980年代は公共の洋式トイレには便座シートが備え付けのところもありました。

その後、1990年代に入ると感染症対策の広がりで アルコールでの手指消毒が一般的になり、少し遅れて便座用のアルコール消毒薬が設置されるところも増えてきました。

 

私自身は、便座がはっきりと汚れていない限り、他の人が座ったから嫌だという感覚はあまりないのですが、洋式トイレを使用するときに無意識のうちに確認していることがあります。

それは、便座に足型がついていないかどうか、です。

 

80年代に東南アジアで暮らすようになって、その国ではどこでも日本でいえば「洋式トイレ」のタイプでした。

ところが使い方が違いました。

便座の淵に上がって、その上で和式トイレのように使う人が多かったのです。ですから便座にはくっきりと足型が残っていることが多く、その後に入ると、便座に触れないように中腰で使わざるを得なかったのでした。

 

訪日する外国人が急増するようになって、「便座の上に足をかけて座ってはいけない」という注意喚起の絵がつけられるようになりました。

ああ、あの国だけでなくそういう使い方をする国はけっこうあるのかと納得しました。

でも、もしかしたらあの絵の意味がわからない日本人の方が多いかもしれないと思ったのですが、どうなのでしょう。

 

 

日本に洋式便器が普及し始めて、ちょうど60年ほどだそうです。

トイレの様式や文化が驚異的に変化する時代に生きているのだと、ちょっと感慨深いものがあるこの頃です。

 

 

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