早朝からもち米をついてお菓子を作っていた米沢のお団子屋さんに立ち寄ると、中では数人の方々が忙しそうにお菓子を作っていました。
店頭には、7時過ぎなのにすでに数種類の餅菓子が並んでいます。
子どもの頃から商店街に必ずあった伊勢屋さんを思い出します。
伊勢屋さんと違うのは、餅菓子やおまんじゅうを専門にされていることでした。
つきたてのお餅で餡をくるんだ大福と、胡桃ゆべしを一個ずつ購入しました。
お忙しい時間なのに、たった二個を買うだけの客のために手を止めさせてしまってちょっと申し訳なかったですが、買わなければ後悔すると思いました。
こんなできたての餅菓子を買うのは何年ぶりでしょうか。
包み紙の上からでもその柔らかさがわかりました。
その地域ならではの餅菓子もありましたが、名前を忘れてしまいました。
次回からは、遠出をしたら餅菓子にも気を止めてみようと思います。
*sticky rice*
餅菓子というと思い出すのが、東南アジアで食べたものです。
80年代半ば、インドシナ難民キャンプで初めて食べました。その国に赴任して1週間ほど首都でオリエンテーションを受けている間は、その国にも餅菓子があることはわかりませんでした。
難民キャンプで働き始めた初日、早々に、午前と午後、職場に手作りのお菓子を売りに来るので、現地スタッフが仕事を中断することに驚きました。
「sticky rice!」と売り子さんがザルの上に並べたお菓子を持ってまわるのを見て、辞書はなくてもそれが「餅菓子」であることがすぐにわかったのでした。
同僚がひとつ私のためにも買ってくれました。
「(仕事中なのに、ありえない)」とためらいながら受け取って、そっと周囲を見渡すと上司たちも皆、食べていました。
日本の大福の味をイメージして食べて見たら、まったく違いました。
ココナッツミルクが入っているので、ちょっと濃厚な味です。
紫芋で華やかな紫色になっているものや黄色など、色の種類もありました。
その国の主食は私にはパサパサしたインディカ米でしたから、慣れるかどうかちょっととまどったのですが、この餅菓子のおかげで、米の似たような食文化になんだかとても親近感を覚え、この国で暮らしていけると思ったのでした。
「米のあれこれ」まとめはこちら。