下水道についてのあれこれ 8 プール2000杯分の雨水をためる

渋谷駅周辺では地上でも地下でも刻々と変化しているようで、近くを通過すると見飽きませんね。

山手線と湘南新宿ラインのホームが並んだのは5月30日ですが、もうその風景もすっかり見慣れたものになりました。まるでずっと前からそうだったような錯覚に陥ります。

 

同じ頃、あの数日で河岸段丘が削られた場所に、高さ数メートルはある大きなタンクが2本置かれるようになりました。工事中の水を貯めているのかと思ったら、それもまた数日ぐらいで忽然となくなりました。もしかしたら、地下に埋め込まれたのでしょうか。

なんだか手品を見ている気分です。

 

何年か前から、駅周辺の道路の地下で工事が行われるようになったのですが、先日のニュースで地下に雨水の貯留池を造っていることを知りました。

JR渋谷駅地下に貯留池が完成 大雨で地下街の浸水被害を軽減

(2020年8月19日 18時28分、NHK NEWS WEB)

 

JR渋谷駅の地下に大雨による雨水を一時的にためる新たな施設が完成しました。局地的な非常に激しい雨に備える施設で、地下街の浸水被害を軽減することができると期待されています。

施設は再開発が進むJR渋谷駅の東口広場の地下に作られ、19日、その内部が報道陣に公開されました。

内部に至る階段を降りていくと、地表から25メートルのところにプールのような形をした貯留池と呼ばれる施設があります。

水をためる部分の大きさは、長さ45m、幅22m、深さ7m、およそ4000トンの雨水をためることができます。

施設がカバーする範囲は、渋谷駅の東側、青山通り宮益坂周辺の27ヘクタールと限定的ですが、渋谷駅の地下街への浸水を軽減する効果があるということです。

東京都下水局の菅野建城課長は「近年は1時間に75ミリを超える大雨が増えていて、施設が完成したからといって、どんな事態にも対応できるわけではない。ハードとソフト両面で都市部の浸水対策を進めていきたい」と話しています。 

 

渋谷駅は道玄坂宮益坂などの坂の下にあり、これまでも大雨の際に地下街の浸水被害が相次ぎ、対策が課題となっていました。

平成11年8月には、東京メトロ半蔵門線の駅構内に大量の水が流れ込んだほか、平成27年7月にも東急東横線の改札が浸水しました。

こうした被害を受け、ハチ公口などがある渋谷駅の西口側には、平成18年に、今回と同じ規模の4000トンの雨水を一時的にためることができる地下水管の一種で直径2.6メートル、全長760メートル余りの貯水施設が整備など、浸水対策が進められています。

 

貯留池 23区内で58か所目 プール2000杯分の雨水ためる

都市部の浸水被害を防ごうと、地下に雨水をためる施設の整備が近年、全国各地で進んでいます。

このうち東京では、今回、渋谷駅に整備された貯留池が23区内で58か所目です。

ためることのできる水の量は、施設によってさまざまですが、東京都下水局によりますと、58の施設で合わせておよそ60万トン、学校のプールで2000杯分に相当する雨水をためることが可能だということです。

 

今回の東口の貯留池は「45m×22m×7m」の大きさということですから、長水路プールを3~4個重ねた感じでしょうか。

すごいですね。

 

40年ほど前の私の渋谷の記憶では地下部分が少なくて、雨水というのは地表を流れるものだったのですけれど。

 

散歩をすると建設中の地下調整池を時々見かけます。

どんな方たちがこれを計画し、建設されてこられたのでしょうか。

雨水を地下の下水道で処理をする技術は、まだ驚異的に変化する時代の真っ只中で、年表になっていない時代なのかもしれませんね。

 

 

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