近畿と東海の川を眺める散歩もあと残すところ半日です。
大垣の次にどこで一旦下車しようか、計画の段階で地図を眺め続けました。せっかくなので長良川沿いのどこかを歩きたいと思ったのですが、東海道本線だと長良川を渡ったあとは川から離れてしまいます。
ふと、西岐阜駅からのバス路線をクリックしてみたら、岐阜駅行きのバスが長良川の堤防沿いを通過するようです。川のそばにはどんな街が広がっているのかみてみたくなりました。
西岐阜駅で下車し、夏の日差しの中、以前は田畑だったのだろうと思われる広く平らな場所を20分ほど歩いてバス停に到着しました。道は水路の面影を残してところどころ蛇行していますから、疲れはあまり感じません。ほとんど高低差がない平地に、長良川がつくりだした土地なのかなと、ちょっと感激しながら歩きました。
バスに乗って数分で長良川に最も近づいたのですが、もちろん高い堤防の向こうですから川面は見えません。
それでも木曽三川の中流域の街の雰囲気を見ることができました。
*伊奈波神社*
地図で見ると、岐阜地方裁判所のそばは山が迫っています。山の上には「水道山」と書かれていますから、給水施設があるのかもしれません。その麓には池のある寺社や公園、水路があちこちにあってどこを歩こうか悩みましたが、長細く山道が山へ続いている伊奈波神社を訪ねてみることにしました。
神社の周辺は古い昔ながらの家が保存された道路で、人も車も少ないのでのんびりと歩くことができます。静かで、落ち着いた街でした。
参道はまっすぐ見上げるような道です。さすがに散歩の2日目で歩き疲れているので、一旦は登るのをやめようと思ったのですが、参道脇に山から流れてくる水路があって、それに誘われました。
本殿まで登ると、岐阜市内から長良川の堤防そして対岸まで見渡せました。
神社のHPを読むと、水の神様でもあるようです。
我々の祖先は揖斐・長良川・木曽の三大河川に恵まれ水の恩恵に浴したものの一方では、洪水に悩まされ洪水から守り稔り豊かな土地にすることが土地を収める者の最大の務めであり、「水を制するものは天下を制す」と諺があるように、水を制するには金を以って当てるというのが陰陽五行の信仰であり、この地方は特に金、水に関する地名も多く伊奈波神社は水を防ぐ信仰の神社でもあった。
この伊奈波神社の隣に岐阜城のある金華山があり、対岸には百が峰があります。
実際に訪ねてみると、上流で降った雨がこの山に挟まれた場所を通過する地域であることがわかりました。
そしてこの岐阜市から数キロ下流で揖斐川に近づき、さらに十数キロ下流では木曽川に合流しています。
1年半前に訪ねた木曽三川分流工事の歴史と、中学生の頃に習った「輪中」、そして現代の木曽三川が少しずつ繋がってきました。
「水の神様を訪ねる」まとめはこちら。