行間を読む 108 「 マイカー通勤転換プロジェクト」

平日の日中に三河豊田駅に降り立ったのは私一人だけで、「2018年度の一日平均乗降者数14,918人」が想像できないほど森閑としていました。

目のにある工場周辺には、いくつも社員用の大きな駐車場がありました。

 

愛知環状鉄道線に、「マイカー通勤転換プロジェクト」についての説明があります。

沿線のトヨタ自動車が マイカー通勤から公共交通機関利用に転換を進めていることに対応し、国・県・沿線市・民間からの支援を受け、同社本社の最寄駅である三河豊田駅新豊田駅間を複線化して同駅間にシャトル列車を運行する計画が建てられた。同区間の工事は2005年(平成17年)4月から着手され、三河豊田駅の配線改良、新上挙母駅の全面改良(下り線路盤上に設置されていた旧ホームの

撤去・上下線最新ホームの配置など)、新豊田駅高蔵寺方に配置せんを設置するなどの工事を行った。2008年(平成20年)1月27日始発列車から複線運転が開始された。同3月15日ダイヤ改正より朝通勤時間帯にシャトル列車が設定され、この区間で既存列車と合わせて約8分間隔で列車が運行されるようになった。

 

「マイカー通勤転換プロジェクト」で検索すると、国土交通省の2005年(平成17年)の資料が公開されていて、豊田市についても書かれていました。

 自動車の交通渋滞は、直接ドライバーに時間的ロスや苦痛を与えるだけではなく、地域生活を支える物流・医療など経済的・文化的にも大きな損失となり社会全体の重大な問題である。日本の地方都市における大企業の工場・事務所が集積した地区で朝夕の出退勤時の交通集中による渋滞問題が表面化している。

 一方、地球規模の環境問題としての側面としては、2005年2月の京都議定書発行を受け、自動車の過度な利用に対して警鐘がならされている。地球環境温暖化防止の為にも自動車通勤から徒歩、自転車、公共交通機関、バイクなど環境に優しい通勤手段への転換が求められている。

   「通勤交通対策に関する国内外の先進事例の整理」「概説」より

 

 

それが、三河豊田駅の一日平均乗降者数が2003年度は4,814人だったのが、2018年には14,918人の背景だったのですね。

 

ちょっと遠出の散歩をすると、ちょうど朝夕の通勤時間帯の様子を車窓から見ることがしばしばあるのですが、幹線道路だけでなく、農道のような場所まで車がずっと連なっている風景です。

あるいはあの緊急事態宣言中でも、都心よりはむしろ郊外に向かう道路の方が渋滞していました。

 

1990年代に、村井吉敬さんが「今、日本中の自家用車を道路に並べると、車の方が余る」と言っていたことを思い出す光景です。

当時に比べると自動車がどれくらい増えたのか、そして道路も新たに拡幅されたり新設されているので、今は並べてみるとどうなのでしょうね。気になっています。

 

 

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