散歩をする 346 長島駅から長良川河口堰へ

10月下旬、まだ暗い5時45分に自宅を出て、いつもの通勤時間よりは1時間ほど早い時間帯に品川駅に向かいました。この時間は列車の本数も少ないこともあり、6時台よりもむしろ混んでいる印象です。

2年前までは、この超過密の通勤風景を改善するなんて無理だろうと思っていたのに、まさかの感染症で実現していましました。

この時間帯に出勤する人たちにはどんな生活習慣があるのでしょう。早起き運動が実現しなくてよかったと思いながら、満員の列車に乗っているうちに、空が明るくなり始め品川駅に到着しました。

 

6時59分発ののぞみ7号で名古屋に向かいます。「博多行き」懐かしい!、そのまま西へいきたくなるではないですか。

念の為、前日に窓席を予約したらけっこう埋まっていました。新横浜ではほぼ窓席はいっぱいになりました。乗客は圧倒的に男性です。まだ旅行客は少ない印象でした。

「アルコール類の車内販売は見合わせ」「席の向かい合わせはご遠慮ください」のアナウンスがありました。

 

またただひたすら車窓の風景に集中です。

6月下旬には田植えが終わった直後の水田も、すでに刈り取られてひこばえの緑がきれいです。焼津の手前の水田に、少しだけ刈り残された稲穂が見えました。

秋晴れの天気予報でしたが、三河湾の沖合には雨雲があってそこだけ雨が降っているのが見えました。ダイナミックな風景ですね。

 

8時31分に名古屋駅に到着する直前に、虹が見えました。いいことがありそうです。

駅には大勢の高校生が並んでいて、修学旅行に向かうようです。

新幹線から在来線のホームへと移動し、関西本線四日市行きへの乗り換えです。

目の前のホームに高山線が止まっていて懐かしいディーゼルエンジンの匂いがしていました。しばらくすると岐阜駅でのスイッチバックのために進行方向とは逆向きの座席で出発していきました。乗客は各車両に2~3人といったところでした。

 

関西本線長島駅へ*

 

8時44分の関西本線に乗りました。2年半ほど前に、木曽三川公園に行くために桑名駅まで関西本線に乗りましたが、あのころはまだところどころ水路があるぐらいの風景の記憶です。

 

今回はJR長島駅まで28分ほどですが、それまでの庄内川とか「八田駅」「春田駅」といった「田」がつく地名とその周辺に残る水田や水路まで見えました。

蟹江駅の手前の福田川を渡る時には徐行しながらでした。航空写真ではこの辺りは住宅地に見えたのですが、水田が残って稲穂がみえる場所もありました。

次の永和駅の前は水田地帯が広がっています。名古屋駅からわずか15分でこんな水田地帯があるとは。

 

関西本線はこの辺りは単線で時々行き違い列車との待ち合わせがあるので、稲穂が少し残る水田を眺める時間を楽しんでいるうちに、弥富駅のあたりからJR関西線と近鉄が並走し始めて木曽川を渡りJR長島駅に到着しました。

まさかの無人駅で、車掌さんがホームに立って切符を受け取って行くようです。

下車したのは私一人でした。

 

 

快晴でしたが、おそらく風速7~8mぐらいの冷たい風が時折吹いています。

こんな風の中、駅前の広場の高い樹々の剪定をされている方々いました。

 

近鉄長島駅の前から、長良川河口堰の近くまで行くコミュニテイバスに乗る予定ですが、バスが到着するまでに立っているだけだと寒く感じたので駅の周辺を歩いてみました。

駅前からも長良川にかかる鉄橋がみえました。

 

長島地区の観光案内板を眺めて、ふと地面をみると駅の広場に子どもたちが水遊びができるような小さな水路が造られていて、ちゃんと水が流れていました。

せっかくつくったこういう水路も水が止められていることがよくあるのですが、この水を眺めているだけでなんだかこの地域が好きになりました。

 

 

*コミュティバスに乗って長良川河口堰へ*

 

9時34分、小さなバスが来ました。

いったんバスは東側へと周り、木曽川の堤防のすぐ近くの水田地帯を走りました。

高い堤防のすぐそばに家が立ち並び、水田の方がそれより内陸部にあることが不思議な風景です。まだ稲穂が残っている水田があり、強い風に稲穂が波立っているようにみえました。

この辺りは、倉敷の祖父の水田や諫早を思い出すような白っぽい土でした。

 

またぐいと西へと向きを変え、住宅地を通って長良川の方向へとバスが進みます。

長良川の堤防が近づき、なばなの里という温泉などのある施設の前で下車しました。

「ようこそ長良川河口堰へ」という案内図があり、陸橋の向こうにアクアプラザながらの建物が見えました。

 

10時開館まで5分ほどありました。

アクアプラザながらの周囲に、河口堰を眺めることができるようにベンチがありました。

悠々と流れる長良川と、写真で見ていたあの河口堰が目の前にあり、轟々という水音が聞こえて来ました。

30年ほど、心の中にその名前が残っていた場所が目の前にあります。

 

河口堰の向こう岸が、あの木曽三川分流工事によってできた細長い堤防で、その向こうがすぐに揖斐川です。

すごい景色を独り占めしながら、ここでもまたおにぎりをまず食べたのでした。

 

 

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